2018 Fiscal Year Research-status Report
未除染森林土壌の再堆積に影響する砂礫州による泥質の捕捉・排出能:河川地形学的検討
Project/Area Number |
18K11631
|
Research Institution | 福島県環境創造センター |
Principal Investigator |
谷口 圭輔 福島県環境創造センター, 研究部, 主任研究員 (80774794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 徳孝 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (60314358)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 河川地形 / ベッドフォーム / 放射性セシウム / 泥質堆積物 / 数値モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究課題で開発する数値シミュレーションの比較対象となる、既存モデル(TODAMモデル)の阿武隈水系の河川への適用を進めた。このモデルは、計算区間の平均的な傾斜・粗度・水位等のデータを与えて、土砂および放射性セシウムの濃度・フラックス及び堆積量を算出する1次元モデルである。2016年までに得られた実測データをもとにモデル計算を行い、当該河川上に設けた検証用の観測点における実測値をほぼ再現できる、良好な計算結果を得た。それによると、シルトや泥質などの細かい粒子は、そのほぼすべてが河床に堆積することなく海まで流下するという計算結果が得られた。この成果は、AGU Fall Meeting 2018において発表された。 阿武隈川および福島県東部の河川流域において、共同研究者とともに現地踏査を行い、砂礫洲上の粒子の分布状況の観察を行った。礫の直下に泥質の堆積物が濃集するなど、既存のモデルには反映されにくい、複数の粒径画分が存在することに伴う影響とみられる特徴が観察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地形計測およびそれをもとにした数値モデル開発にかかる打ち合わせを当該年度後半に予定していたが、3D図化ソフトの環境創造センターへの導入時期が年度末までずれ込んだため、実施時期を平成31年度前半に変更することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度後半に実施予定であった地形計測および土砂サンプリングについて、令和元年度はじめに実施する。その結果を受けて、3次元地形データの作成とモデル開発に関する打ち合わせを行うことで、スケジュールの遅れを取り戻すことができる。 その後は、当初の計画通り、大規模な出水イベント後の土砂試料採取及び出水の多く見られる時期が終わる冬季に令和元年度分の地形計測等を行い、モデルの開発を進める。
|
Causes of Carryover |
福島県環境創造センターへの3D図化ソフトの導入が遅れたことにより、当該年度中に行う予定であった現地調査及び数値モデルに関する打ち合わせの各1回の実施時期を平成31年度前半に変更したため。
|
Research Products
(1 results)