2019 Fiscal Year Research-status Report
未除染森林土壌の再堆積に影響する砂礫州による泥質の捕捉・排出能：河川地形学的検討
| Project/Area Number |
18K11631
|
|---|
| Research Institution | 福島県環境創造センター |
|---|
Principal Investigator |
谷口 圭輔 福島県環境創造センター, 研究部, 主任研究員 (80774794)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 徳孝 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (60314358)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 河川 / 堆積物 / 粒度分布 / 放射性セシウム |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、河川への数値シミュレーションの適用のため、福島県環境創造センターが観測を実施している福島県内を流れるある阿武隈川支流のデータを解析し、1次元の数値モデル(TODAM)の適用を進めた。現在、論文投稿の準備中である。
2019年度10月に東日本を襲った台風による出水のため、観測の実施には困難が生じた。しかし、福島県浜通り地域を流れるある河川の河川敷に存在する河川敷公園周辺を観測地点として設定した。これは、福島県環境創造センターが、水害による環境への影響を調べるため実施した河川敷公園における空間線量率の調査を実施した河川である。浸水した河川公園及びその周辺の河川地形について、空間線量率調査のほか、UAVによる詳細な地表面データの取得、2次元数値モデル(Nays2D Flood)による浸水範囲及び浸水時間の推定等を行った。この成果は、2020年7月実施予定のJPGU2020で学会発表を行う予定である。
最終年度となる2020年度は、2019年度に設定した河川敷公園付近の砂礫洲でのサンプリングを行うほか、土砂の輸送・堆積についても計算可能な2次元数値モデル（Nays2DH）による計算を行い、砂礫の混合による効果を調べるのに適したパラメータの算出を行う予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
河川への数値シミュレーションの適用のため、福島県環境創造センターが観測を実施している福島県内を流れるある阿武隈川支流のデータを解析し、1次元の数値モデル(TODAM)の適用を進めた。現在、論文投稿の準備中である。
2019年度10月に東日本を襲った台風による出水のため、観測の実施には困難が生じた。しかし、福島県浜通り地域を流れるある河川の河川敷に存在する河川敷公園周辺を観測地点として設定した。これは、福島県環境創造センターが、水害による環境への影響を調べるため実施した河川敷公園における空間線量率の調査を実施した河川である。浸水した河川公園及びその周辺の河川地形について、空間線量率調査のほか、UAVによる詳細な地表面データの取得、2次元数値モデル(Nays2D Flood)による浸水範囲及び浸水時間の推定等を行った。この成果は、2020年7月実施予定のJPGU2020での発表を予定している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2020年4月より筑波大学アイソトープ環境動態研究センターに所属が変更となったが、引き続き福島県環境創造センターの研究者の協力を受けつつ現地観測、数値シミュレーション等を実施する。
現地調査については、昨年度測量等を実施した河川敷公園周辺の砂礫洲等を対象に、梅雨明けと初冬の2回程度の試料採取と夏から秋にかけての砂礫洲の浸水状況のカメラ観測を実施する。
数値シミュレーションについては、Nays2DHを用いた数値シミュレーションをもとに、規模の異なる出水時における河床面におけるせん断応力を計算し、礫とその周辺の細粒堆積物の粒度との関係を解析することを予定する。この結果を金沢大学で実施中の水路実験の考察及び実験条件の改善に役立てる。
|
| Causes of Carryover |
初年度に、同研究機関（福島県環境創造センター）内で借用が可能なため購入を見合わせた3D図化ソフトウェアの購入費用が次年度使用額の大半となる。所属変更に伴うフィールド観測に係る旅費の増分等にこれを充てる計画である。
|
