2018 Fiscal Year Research-status Report
初期胚における放射線細胞応答としてのエピジェネティクス変化が細胞分化に与える影響
Project/Area Number |
18K11644
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本庶 仁子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (80614106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 辰夫 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (80314219)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 初期発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
発生期は、放射線に対して感受性が高いと考えられている。しかし、どのような違いがあるのか、その細胞応答がどのようなものであるかについてあまり詳しく知られていない。申請者は、これまでのゼブラフィッシュを用いて発生のごく初期の胚細胞に放射線を照射し、発生の過程でどのような影響があるかを調べてきた。同じ線量を当てても、発生ステージにより個体への影響が異なる現象が明らかになった。6時間の差で、ほとんど形態に影響が見られないステージと個体死を起こすステージがあり、その違いを詳しく調べたところ、発生のごく初期では、細胞周期の停止やgammma-H2AX foci の形成も起こらず、通常の細胞応答が起こらないことを明らかにした。この結果は、本年度論文として発表した(Honjo and Ichinohe, 2019) 。さらに、ごく初期に放射線照射を受けた胚の頭部に細胞死が多くみられる現象をさらに詳しく解析し、どのような細胞が細胞死を起こすのかについてなど解析を試みている。
さらに、初期発生の時期は、その過程で、エピジェネティックなダイナミックな変化が起こることが知られている。この時期にDNA 損傷及びその修復が起こることによる細胞応答・細胞分化への影響を調べたいと考えている。そのエピジェネティック変化を解析するために、ゲノムワイドなシーケンスの条件出しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期胚での影響を明らかにした論文も発表した。さらに、抗体染色などによる更なる解析が必要であるが、細胞死を起こす細胞の解析も行なった。また、エピジェネティック解析を行う条件出しも順調に進んでいるため、概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、放射線応答におけるエピジェネティック変化の解析を行い、さらに細胞死を起こす細胞との関連を調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析システム構築費が本年度は予想より下回ったためだが、次年度以降、維持費および第3世代シーケンスライブラリー調整費として使用するつもりである。
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Research Products
(4 results)