2018 Fiscal Year Research-status Report
A study of the transnational civil networks on the Japan-Korea relations.
Project/Area Number |
18K11828
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 敬黙 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00388620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南雲 勇多 東日本国際大学, 経済経営学部, 特任講師 (00781543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 市民運動 / トランスナショナル / 歴史と和解 / 国際理解教育 / メディア / NGO / 平和プロセス / 越境と共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は研究プロジェクトの開始年度として、日韓における市民運動の交流事例のフィールド調査ならびに資料分析を行うと同時に、研究会活動を展開した。具体的には、2018年8月に韓国で開催された、「日韓誠信学生通信士2018」における参与観察をはじめ、2018年9月に韓国のブサン・キメ地域における日本の大学生と韓国の大学生の交流事業のフィールド調査をおこなった。 2018年11月には、「日韓市民未来対話100人会議」に研究代表者と研究分担者が参加し、日本と韓国の両国で高まる緊張関係や相互不信に関する参与観察を行った。2018年は両国における歴史認識問題の緊張が高まったこと、そして南北コリアと米朝首脳会談が複数回開催されたが、このような政治的な動きと、日韓両国の関係の相関関係を明らかにすることをはじめ、市民運動やNGO、メディアの役割についての事例分析についての基礎準備を行った。研究体制を2018年4月に立ち上げて以降、関連研究会を毎月開催したり、国内外(海外においては韓国2回、ヨーロッパ1回)の実地調査を行った。また、ニュージーランド、オランダ、アイルランドでの国際会議や日本の早稲田大学での関連シンポジウムに積極的に参加した。早稲田大学を研究拠点としつつ、10以上の研究コロキアムやセミナーなどと連携し、本テーマの直間接的な研究・教育活動とのつながりを拡大した。 在日コリアンの教育とアイデンティティ、戦争や植民地の記憶と記録をとりまく市民運動・NGO活動とメディア報道に関する分析を、越境、和解、共生などのキーワードとして取り上げた。その成果の一部が商業出版の形で2019年度に刊行される予定であり、2019年度にはヨーロッパにおける和解と共生事例との連携も模索する予定があるが、2018年度中にこのネットワーキング体制が確立された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な事例分析に取り組みつつ、資料集めや分析を計画通りに行いつつある。研究会体制を通じて、出版プロジェクトやセミナー、勉強会などを計画通りに遂行してきたため、研究プロジェクトの初年度としては概ね順調に進んでいると考えられる。 また、北東アジアの平和プロセスとヨーロッパの平和プロセスを比較する国際研究プロジェクトとも連携し、和解や平和をとりまく関連研究とのネットワークにもたどり着けているために、順調であると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に続き、日韓市民レベルの緊張関係を高めたり、融和を施す具体的なイシューの資料分析や参与観察を継続しつつも、学術研究につなげるための、問いと仮説の精緻化、先行研究の批判的な考察、そして、セミナーやワークショップを積極的に開催していく予定です。 可能であれば、中規模以上の公開ワークショップや国際セミナーの開催を検討する予定である。また、他の研究資金確保を視野に入れつつ、引き続き東アジア、ヨーロッパにおける関連事例の比較分析も視野に入れた、研究体制の拡充を模索する。
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Causes of Carryover |
引き続き、研究活動の2年目を進め、当初の計画通りに研究活動を行うと同時に、その成果の公開体制にも心がける。
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Research Products
(6 results)