2019 Fiscal Year Research-status Report
A study of the transnational civil networks on the Japan-Korea relations.
Project/Area Number |
18K11828
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 敬黙 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00388620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南雲 勇多 東日本国際大学, 経済経営学部, 特任講師 (00781543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際文化交流 / 学術交流 / 文化外交 / 市民ネットワーク / パブリックディプロマシー / 国際理解教育 / フィールドワーク / 和解と平和 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、日韓関係の悪化がもっとも顕在化、深刻化した1年でもあった。日韓関係の改善、和解と相互理解を推進する方法を模索する本研究としては、「残念な」土台・環境であったが、逆説的に述べるならば、本研究を実証的に進める上での事例は数多くこうさつすることができた。 科研プロジェクトの中間成果として、金敬黙編『越境する平和学-アジアにおける共生と和解』法律文化社、2019年が刊行され、研究代表者である金敬黙と共同分担者である南雲勇多の研究成果が、一般読者ならびに学部レベルの学生にも伝わる形で紹介された。 ならびに、2019年9月には英国のSheffield大学で開催されたConflict Research Society(UK)の年次研究学会において、金敬黙の研究成果を英語で報告した。また、この研究成果を生かし、Routledge出版とReconciling Divided States: Peace Processes in Ireland and Koreaというタイトルの契約を締結した。 加えて、金敬黙と南雲勇多は日本と韓国の市民対話を進める企画にパブリックディプロマシー研究の観点から参加し、研究成果の調査分析に加え、成果のフィードバックにも努めた。 早稲田大学のジャーナリズム研究所、韓国学研究所、早稲田大学グローバルアジア研究拠点、文学学術院など研究拠点がおかれる早稲田大学の教育、研究組織と連携しつつ、研究会や国際ワークショップ、国際シンポジウムを日本語、英語企画として開催した。 二国間の市民レベルの関係にとどまらず、二国間のパブリックディプロマシーの観点から第三国やマルチラテラルなアリーナで繰り広げられる文化外交、国際文化交流、学術交流、国際開発事業などの側面に拡大するための研究会を2020年度から本格的に立ち上げ、研究成果のまとめと継続研究への企画に入った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の2年目の段階で、その成果を反映した著書『越境する平和学-アジアにおける共生と和解』法律文化社、2019年が刊行されたことをはじめ、国際学会での報告(2019年9月英国ブライトン)、ならびに国際シンポジウム(2020年1月早稲田大学)やワークショップ(2019年12月、早稲田大学)、研究会(2019年10月~2020年1月)などの場で研究者、市民社会アクター、メディア、学生などを交えて研究活動の展開と成果公表を行うことができた。 同時に研究プロジェクトの最終年度である2020年には、パブリック・ディプロマシーの観点から日韓の双方の国ではなく、東南アジアや欧米などにおける第3国での文化摩擦、歴史認識、国際協力事業の競合関係を市民社会の視点から考察する研究会体制を発足させた。新型コロナ問題によって、2020年度の上半期まではオンライン(電磁的手段)に基づく研究会が繰り返される予定ではあるが、研究代表者、研究分担者に加え、関連イシューに関心を抱く研究者や専門家も参加する体制であるために、研究活動の継続と進展に拍車がかかるとみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べた通り、日韓関係の改善と悪化を取り巻く市民ネットワークの研究対象地域や事例を、日韓当事国だけではなく、第3国にまで拡大させて考察する必要性がしょうじたことによって、パブリック・ディプロマシーの学術的な概念を導入し、文化外交、広報文化政策、国際文化交流、学術交流などの観点から、日韓関係の改善と悪化を政府レベル、市民社会レベルで考察し、異なるセクターやレベルの相互関係についても考察する準備態勢をとる。 そして、この問題意識を今後の研究プロジェクトで継続して検証したり分析するために研究申請を2021年度以降の企画として申請する予定である。 研究テーマの拡張などから、研究体制の拡大も検討され、さらなる専門家や研究者との連携が進められている。
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Causes of Carryover |
研究の最終年度として、研究成果の発表のために計画通り利用する予定である。また、後続研究への発展的な取り組みにつなげる研究体制の補強にも取り組む。
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Remarks |
Conflict Research Sosiety 2019における共同パネル発表を韓国Hanshin大学、アイルランドTCD、オランダのライデン大学の共同研究者と進めると同時に、Routledge出版社とReconciling Divided States: Peace Processes in Ireland and Koreaの出版契約を締結(2020年)。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 越境する平和学2019
Author(s)
金 敬黙編 (金敬黙、南雲勇多執筆)
Total Pages
234
Publisher
法律文化社
ISBN
9784589040312
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