2022 Fiscal Year Research-status Report
Poverty, resilience and vulnerability: Evidence from Leyte after Typhoon Haiyan
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18K11830
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
マカベンターイケダ マリア 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (40388236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青田 良介 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (30598107)
馬場 美智子 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (40360383)
加藤 恵正 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 特任教授 (80161131) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 危機適応策 / 自助 / 共助 / フィリピン人帰還移民の社会経済的再統合 / 社会的ネットワーク / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年8月18日にNordic Migration Research Conferenceにて「Resettling and Resilience in Vulnerable Places: Filipino Migrant Returnees in Post-Haiyan Leyte during a Pandemic」についての研究報告を行った。 本研究では、フィリピン帰還移民が主観的幸福感(subjective wellbeing)向上の論理を通じて故郷レイテ島を再発見し、被災地となった故郷の再生に投資することで帰還を決意するメカニズムについて考察し、COVID-19パンデミック時のコミュニティ再建における「社会的ネットワーク」と「知識の外部性」の重要性を検討した。 特に、2013年に超大型台風ハイヤン(現地名:ヨランダ)の被害を受けたレイテ島において、帰還者が自分達の脆弱な「故郷」コミュニティの再建に向けて自助(self-help)や共助(mutual assistance)努力に関する事例を取り上げていた。 帰還移民者はコミュニティと関わりながら積極的に復興に貢献している事例が多く見られた。COVID-19パンデミックの影響で帰還移民者の危機適応策がデジタル技術やソーシャル・メディア活用を通じて、彼らが立ち上がった住民組織及びソーシャルビジネスのコミュニティ再生の成果をが外部から高く評価されていたことがわかった。 政策提言として、フィリピン人帰還者の社会経済的な再統合を促進するために、地方政府は帰還者のデータベースを作成し、彼らのスキルや能力を活用できる機会を増やすことが大切だと指摘したい。また災害等の危機的な状況が生じた場合に適応能力を高め、コミュニティの取り組みを持続させるために彼らを人材として生かしていく政策も重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの状況を見ながら、フィリピンの研究者やレイテ島の住民組織・帰還移民への聴き取り調査をオンラインにより実施してきた。 2022度には学会で研究報告を行い、学会に参加した研究者と議論する場を確保できた。しかし新型コロナの影響で、2020年度と2021年度の研究遅れが十分に取り戻せていません。 オンラインでの調査は実施できたものの、昨年度予定していたレイテ島での現地調査を実施することができなかった。 以上が、現在までの進捗状況について「遅れている」とした理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策は、過去3年間延期していたレイテ島での現地調査を今年の夏頃に研究分担者と共に実施する予定である。 研究プロジェックト期間が2023年度まで延長され、今年度は超大型台風Haiyanがレイテ島を襲ってから10年目の節目にあたる。災害復興の経過などか風化してしまわないうちに現地関係者達のヒアリングなどを確実に実施しておきたい。 訪問時期の夏場までに入念に調査スケジュールを組むなど丁寧に準備し、今年の秋頃から今までの結果を最終報告書にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナにより、当初計画していた研究分担者と合同で行うレイテ島現地対面調査が実施できなかっため現地フィールドワークの旅費と直接必要な経費が0円となった。また、論文投稿の準備が整っていなかったため、研究成果発表費の予算計上ができなかった。
その次は「次年度使用計画」については以下のとおりである: 新型コロナがある程度収束し、次年度の夏頃に現地調査を行う目処がついたので、この旅費としてあらためて活用したい。また、研究の最終年度として、旅費以外にも、復興に関わる政策や実情を現地調査を踏まえて展望し、最終成果の取りまとめや学会発表費用、論文投稿の関連経費として活用する。
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Research Products
(1 results)