2019 Fiscal Year Research-status Report
人の観光にかかる意思決定構造のモデル化とローカル・リビングヘリテージの維持・保全
Project/Area Number |
18K11870
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
藤木 庸介 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (70314557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 歩 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00406878)
北山 めぐみ 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40734257)
上田 香 嵯峨美術大学, 芸術学部, 准教授 (50510583)
横田 祥子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80709535)
神田 孝治 立命館大学, 文学部, 教授 (90382019)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リビングヘリテージ / 観光 / 居住文化 / 生活習慣 / 観光資源 / 意思決定構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度における各メンバーの研究概要を以下に述べる。 〈北山〉:前年度に引き続き、高知県四万十市中村を対象に町並みの歴史的変遷に関する調査を行い、当該地域における歴史的資源の捉え方について再検討した。また、2019年度は新たに高知県室戸市吉良川地区を対象に加え、現在の観光資源である町並みとその形成要因にある産業との関連性について実態調査を行った。 〈上田〉:京都府京丹後市において、丹後縮緬と観光産業の相関性について実地調査を行った。2020年に丹後ちりめん製造業は創業300年を迎えるが、これに伴い、地域産業と観光産業双方における活性化の相乗効果を狙い、多くの取り組みが行われていることが明らかとなった。 〈山田〉:2019年度は、電線や電柱が観光地の景観評価に与える心理的効果について検討した。従来、電線・電柱が景観を損ねるとする主張は主に印象論で述べられてきた。本研究は心理学実験を行い、電線・電柱は一様に景観を損ねるわけではなく、景観を損ねやすい条件があったり、景観を魅力的にみせたりする条件があることを確認した。 〈神田〉ジェンダーに注目した観点から、伊勢志摩地域に焦点をあて、海女の生活文化と観光の関係性について研究をすすめている。2019年度は、得られている文書資料の整理・考察と、観光学術学会・第7回研究集会に参加することで関連する研究動向についての情報収集を実施した。 〈横田・藤木〉:前年度に引き続き、横田と藤木は協同して、中国四川省カンゼチベット族自治州におけるギャロン・チベット族の伝統的民家やカル(石楼)が、彼らの生活の中で、どの様に観光利用されているかについて、現地調査を行った。加えて藤木は、ベトナム・ホイアンにおけるゲスト・ホスト双方の観光に対する意識について、現地調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各研究メンバーともに2019年末までは、概ね予定どおりに研究を進めることができたと言える。例えば研究代表の藤木においては、既述したベトナム・ホイアンにおいて、本研究の目的である「人の観光にかかる意思決定構造」に関する直截的なヒアリング調査を行い、ゲストがホイアンへ観光に訪れようとする際の動機や観光の目的と、ホストが何を観光資源としてゲストに対するビジネスを展開しようと考えているのかといったことを明らかにし、成果の一部については既に日本建築学会大会にて発表を行ったところである。この他、各研究メンバーが現地調査を行っている調査地各地においても、同様のヒアリング調査を進めつつあり、こうした視点において行った研究蓄積は未だ少なく、希少な知見を得られつつあると言える。 一方、2020年に入ってからは、新型コロナウイルス蔓延の影響により、特に海外調査を予定していた研究メンバーにおいて、渡航を中止せざるを得ない状況が続いており、調査・研究が停滞している状態と言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
既述した様に、新型コロナウイルス蔓延の影響により、現時点では、国内・国外を問わず、フィールド調査を行えない状態が続いている。状況を見極めた上で、研究メンバー各自において、国内・国外双方のフィールド調査を再開する予定であるが、見通しは立っていない。したがって、現時点では、各研究メンバーともに、これまでに得られたデータの整理や論文等の執筆を主に行いながら、状況を見極めて行くことになる。こうしたことからも、本研究は2020年度を最終研究年度としていたが、状況次第では研究期間を更にもう1年延長し、2021年度までの研究とすることも、現在のところ検討を行っているものである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延のため、予定していた国内・海外調査を中止したため、渡航費、並びにデータ整理等に要する人件費を執行できなかったため。
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Research Products
(15 results)
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[Book] 世界都市史事典2019
Author(s)
藤木庸介・他(著)・布野修司(編)
Total Pages
942
Publisher
昭和堂
ISBN
978-4-8122-1901-0