2018 Fiscal Year Research-status Report
観光過疎地域における地域ポテンシャルの発掘手法に関する研究
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18K11871
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
梅村 匡史 札幌国際大学, 観光学部, 教授 (30203590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 寛 札幌国際大学, 人文学部, 教授 (20232465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 観光情報 / 地域振興 / テキストマイニング / 観光振興 / 地域資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々なメディア上に流通している地域のテキスト情報をテキストマイニングの手法により解析・分析し、有効な観光資源を有していないと考えられている地域のポテンシャルの発掘を行い、観光振興・地域振興に役立てることを目的に、8つのタスクフォースを定めて研究を実施している。 このうち本年度は、「文献・報告書等による国内の観光、観光対象に関する現状の再確認と観光振興の課題の精査」「秩父別町、下川町、乙部町の3町に関して、新たな地域情報を加味して再分析」「顕著な観光資源を有していない地域の選定と現地調査による情報収集」を中心に実施した。対象とした地域は、奥尻町、置戸町、西興部村、興部町、更別村、和寒町、中頓別町、清水町、訓子府村、豊頃町の10町村を最重点町村とし、音威子府村、大樹町、愛別町、初山別村、滝上町、今金町、福島町、島牧村、雄武町、中川町の10町村を重点町村、羽幌町、古平町、幌延町、士幌町、上砂川町、標茶町、乙部町、鷹栖町、遠別町、月形町を注目町村として選定し、最重点及び重点町村のうち、おおよそ8割の地域を訪問し、現地調査、関係者とのヒアリング、関係資料の収集を終え、次年度の目標である「地域の意味ネットワークの作成と類型化」に向けた、テキストの電子情報化、テキストのクリーニング等の準備を行っている。 また、秩父別町、下川町、乙部町の3町に関して、再分析、再検証をした結果、副読本を用いた分析においては、従来すべての記述を対象としていたが、取捨選択することにより、より明確に地域の特質を発見できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進んでいる。 北海道を震源とする北海道胆振東部地震が2018年(平成30年)9月6日に発生したことにより、対象地域の選定を終え、現地調査の訪問の計画を大幅に変更せざるを得ない事態に直面した。当初の計画では最重点域とした10の町村の現地調査を9月末までに終了し、それ以降は必要に応じて重点地域の現地調査を行う予定であったが、自治体関係者が地震の被害対応のため、10月以降に相手の状況に応じて訪問することとしたため、現地から入手すべき情報の収集時期が予定に比べて大幅に遅延することとなった。 しかしながら、10月以降対象とする町村を30町村すべして、現地調査を行い、最重点、重点市町村のうち、約8割の町村を訪れ、必要な情報を入手することができた。現在テキストの電子化を進めているが、入手できた資料の70%の変換が終わっている。あわせて、意味ネットワークの構築、意味情報の解釈についても随時進めているため、全体としては今年度予定していた進捗割合の約90%程度は達成できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、「入り込み数の少ない町村(10町村)を対象として、地域情報の収集と現地調査」「地域に関して収集した地域情報をもとにテキストマイニングの手法を用い、意味ネットワークの作成」「意味ネットワークの分析及び解釈による特定語の選定」「意味ネットワークに基づく地域特性を象徴する語句と現地で評価との整合性の確認」を行い、「意味ネットワークに基づく地域特性を象徴する語句選定のプロトタイプ」を道内の主要観光地の意味ネットワークとの比較検討により設定していくこととなる。 2年目は複数の地域で上記の研究手順をもってスパイラルに実施し、手順の標準化と地域特性の発見手法及び各地域の差異性、類似性について当該地域の周辺地域についても検討を加えるものとする。 以上の研究成果を随時当該市町村にフィードバックするとともに、各種研究会、学会にて紹介して、社会的評価を問うものとしたい。
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Causes of Carryover |
2018年(平成30年)9月6日に発生した北海道胆振東部地震により、本研究で対象とした多くの地域に被害がおよび、関係者特に自治体関係者へのヒアリングが困難となったため、9月以降に予定していた地域への、訪問、ヒアリングが予定通り、年度内に実施することができなかったため、旅費等の執行が滞ったことに起因している。 前項の未実施の地域への訪問を早期に実施したい。
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