2018 Fiscal Year Research-status Report
個人旅行客の受け入れによる農家民泊経営モデルの構築
Project/Area Number |
18K11873
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
山田 耕生 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (70350296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 農家民泊 / 個人旅行者 / 農家民宿 / アグリツーリズモ / グリーンツーリズム / アルベルゴ・ディフーゾ / 農村観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の農村地域では1990年代半ば以降、農家民泊による地域活性化が本格的に取り組まれ、これまでに教育旅行の受け入れで多くの宿泊客を集める地域も出てきた。しかし、個人旅行客に対応した経営を行っている農家民泊は少なく、個人旅行客が農村地域で宿泊する施設として定着していない。一方、衰退が進む農村の活性化策や、農村地域の新たな魅力創出や活 用といった面では、農家民泊の重要性は大きく、特に個人旅行客の受け入れをメインとした農家民泊を行うことは、急増するインバウンド客の地方観光の受け皿になりうる。本研究では、個人旅行客の受け入れ実績のある各地の農家民泊経営の傾向を明らかにしながら、個人旅行客の受け入れを主とした農家民泊の経営および維持のためのモデルを構築することを目的とする。 2018年度の研究実績は次の通りである。(1)各地の個人旅行客の受け入れ実績のある農家民泊に対して現地視察・インタビュー調査を行った(国内7地域8軒)。(2)農家民泊の先進事例としてイタリアのアグリツーリズモ(=農家民泊)に関する資料を収集し、内容の分析を進めた。(3)農家民泊の現状と今後の発展可能性について、講演会・シンポジウムへ参加し意見交換を行った。(4)地域全体で農家民泊の促進を行っている行政・団体を訪問し、現状と課題についてヒアリングした(国内3地域)。(5)国内の農家民泊の特徴や、イタリアのアルベルゴ・ディフーゾ(=分散型ホテル、農家民泊の進化形)について学会発表を実施した。(6)農家民泊の現状と今後の発展可能性についてまとめたものが新聞に掲載され(2紙)、農家民泊の重要性と今後の普及可能性の鍵について一般に向けて広く情報発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は国内各地への現地調査を当初予定していた通りに行うことができた。インタビュー結果も順調に蓄積してきており、次年度以降に分析を深め、成果を発表する予定である。また、2019年に予定しているイタリアでの現地調査のための資料収集や現地関係者との関係構築も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)個人旅行者の受け入れを主とした農家民泊の類型化と経営内容の分析を深化させるため、国内各地の農家民泊への事例調査を継続する。(2)宿泊者の農家民泊利用の実態と特徴を解明するために、農家民宿数軒の協力を得て、宿泊者に対するアンケート調査を実施する。(3)イタリアの農家民泊を調査し、農家民泊経営の持続による影響を明らかにする。またイタリアとの比較を通して、今後の日本の農家民泊の普及拡大に向けた要素を検討する。(1)~(3)のいずれにしても、結果をまとめて学会等での報告と学術誌への投稿につなげる。
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Causes of Carryover |
現地調査(視察及びインタビュー)を予定していた農家民泊とのスケジュール調整が合わなかったため。なお、現在、調査先の農家民泊との日程を調整中であり、早いうちに支出する予定である。
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