2018 Fiscal Year Research-status Report
ペーパートレイル:高齢化、健康志向時代における自然歩道システムの役割とその再構築
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18K11876
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
古田 尚也 大正大学, 地域構想研究所, 教授 (40727856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 喜朗 大正大学, 文学部, 教授 (40459839)
八巻 一成 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353895)
柴崎 茂光 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90345190)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トレイル / 高齢化 / 健康志向 / 自然資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年わが国で高齢化や健康志向を背景として、ウォーキングやトレイルラン等、自然歩道(トレイル)を利用したアクティビティへのニーズが高まっている一方で、トレイルの整備・管理・運営主体は国や地方自治体、民間など、ばらばらで、その結果、ソフト面のインフラや情報提供システムの不足、利用者の減少、ハードの老朽化と維持管理不足という悪循環に陥っているケースも散見される。本研究ではこうした「活用されずに地図などの紙面上に記載されただけ」の自然歩道を『ペーパー・トレイル』と名づけ、国内外の優良事例を調査し、この問題課題解決のためにより実践的な計画論、政策論的アプローチから、わが国の高齢化、健康志向時代におけるトレイルの望ましい姿を検討し、その持続可能なガバナンスのあり方について提言を行うことを目的としている。本年度は、主として国内の優良事例のスコーピングを行い、日光、三徳山、大山、高野山、高尾山、筑波山などを対象とした現地調査を行った。また、海外の優良事例の候補としてブータンを対象として、基礎的な事前調査を行った。また、トレイルが敷設される場である森林や里山の文化的価値の変遷や生態系サービスに対する期待の変化といった、基礎的なレビュー作業を行うことを通じて今後の作業仮説を構築する上での視座を得ることを目指した。また、これらの成果について適宜論文等にとりまとめ発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の優良事例については精力的に現地調査を行うことができた。また、基礎的な文献調査についてもレビューを行うことができた。さらに、2年次に実施予定の海外調査についても基礎的な情報収集や現地カウンターパートとの関係構築を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
国内については引き続き優良事例について着実に現地調査を行い、情報やデータの蓄積に勤める。また、2年次に海外調査としてブータンの事例調査を計画している。これらの結果を取りまとめ3年次に成果としてとりまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初、初年度に海外調査を計画していたが、調査対象地について再検討を行い、また研究メンバーの日程確保などの問題から、海外現地調査を2年次に実施することとした。このため、初年度に組んだ予算の大幅な使い残しが生じたが、これは2年次に使用する予定となっている。
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Research Products
(9 results)