2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Technique for Complete Synchronous Electric Field Detection of Terahertz Coherent Radiation Using Visible Cherenkov Radiation
Project/Area Number |
18K11919
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 俊晴 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00273532)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テラヘルツ / チェレンコフ放射 / 遷移放射 / EO検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、電子ライナックの短バンチ電子ビームから発生するサブテラヘルツ領域の大強度コヒーレント遷移放射の電場を、外部レーザーを使わず、同一バンチから発生する可視域チェレンコフ放射をプローブとして電気光学(EO)検出する技術を開発することである。 令和5年度は配分された10日間の電子ライナックのマシンタイムのうち、ライナックの故障により5日間のみの実験となったが、可視プローブ光として利用する可視域バンドバスフィルタから発生するチェレンコフ放射のスペクトル測定を行った。放射体として中心波長430nmのバンドバスフィルタを使用し、実験室に導かれた可視チェレンコフ放射はモノクロメータで分光したのち光電子増倍管で受光し、出力はロックインアンプで増幅した。ロックインアンプの参照信号はライナックのビームトリガーと正確に同期させるためディレイパルス発生器DG645を使用した。また、電子ビームのマクロパルス内のバンチ構造はWバンドミリ波検波器を用いてコヒーレント遷移放射パルスを観測し、加速周波数と一致していることを確認した。測定された可視チェレンコフ放射のスペクトルはバンドパスフィルタの光学特性を反映せず広帯域のスペクトルとなっており、比較のためフィルタを外して測定したところ類似のスペクトルが観測された。この光は真空容器入口のチタン箔の真空窓からの遷移放射とチェレンコフ放射取出しミラーからの遷移放射の重ね合わせである。すなわち、可視チェレンコフ放射は遷移放射と同程度の強度であり、放射体を発光点として光学系を組んだとしても遷移放射も併せて受光してしまうことがわかった。 研究期間全体を通じ、石英ガラスを放射体としてEO光学系を構築した簡易測定ではTHz光の有無で14%程度の可視光強度の変化が観測されたが、EO検出によりTHz電場を測定するまでには至らなかった。
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