• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

粒子線がん治療装置のスポットスキャニング照射のための高速ビーム取出し制御の研究

Research Project

Project/Area Number 18K11924
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

中西 哲也  日本大学, 生産工学部, 特任教授 (50440037)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywordsスピルの一様化 / 高速ビーム切り替え / 広帯域高周波ノックアウト / スポットスキャニング照射法
Outline of Annual Research Achievements

シンクロトロンからのビーム取出しをRFKO法で行う方式において、周回ビームをバンチングさせなくてもスピルを時間的に一様にできるマルチバンドカラードノイズ法を提案し、がん治療装置などへの適用を目的に研究開発を進めている。既に、若狭湾エネルギー研究センターのシンクロトロンを用いて原理実証試験を行い、シミュレーションで予想された結果と同様の結果を得ている。更に、本方式のもう一つの大きな特長であるビーム出射制御のビームoff時間が短時間で達成できることも実証した。また、同実験ではビーム軸方向の高周波電界の強度を変えて測定し、バンチングがスピルの一様性に与える影響を定量的に評価した。
令和4年度は、令和3年度に提案した、より高い周波数帯でフラットな特性が得られるAPN回路を試作し、8MHz~17MHzの間でフラットに近い特性が得られることを示した。これにより炭素線治療装置において必要とされる高域周波数帯を十分にカバーできる。RFKOシステムとしては低周波域用と高周波域用の2台が必要となるが、2台の高周波増幅器のパワーは全体として約60%に低減できる。
一方、スピルの一様性をさらに改善するために、RFKO信号のためのカラードノイズデータを局所的に変更する方式の検討を開始した。ビーム試験で得られたスピル構造を詳細に調査したところ、3回取得したスピル構造は再現性があることが分かった。それは、局所的に強くなるスパイク上のスピル構造に対しては、それ以前データの強度を減らし、逆の場合は強度を増やす変更をすることでスピル強度の変動を小さくできる可能性があることを示す。今後は更に詳細に調査し、ビームシミュレーション結果との比較を行い、ビームシミュレーションの結果を使ってより強度変化の小さいカラードノイズデータを検討する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

シンクロトロンからの遅いビーム取り出しにおいて、本研究で提案したマルチバンドRFKO取り出し法により周回ビームをバンチングすることなく一様なスピルが得られることを若狭湾エネルギー研究センターのシンクロトロンを使って実証した。また、もう一つの目標であった高速でビーム取り出しを offする研究において、応答速度100μs程度以下でoffできることを示した。
RKFOシステムに関しては、主要回路であるImpedance TransformerおよびAll Pass Networkに関して、回路シミュレータに入力するパラメータを実験・計算の両方を駆使して求め、測定結果とよく一致するようになった。さらに、より高周波域で使えるAPNを提案・試作し、実証した。

Strategy for Future Research Activity

スピルの強度変化をさらに改善するために、RFKO信号のカラードノイズデータを局所的に変更するなどの方法について引き続き検討する。

Causes of Carryover

参加を予定していた国内会議がオンライン開催となり次年度への繰り越しが生じた。次年度では学会参加費および出張旅費として使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 一様なスピルでかつ高速ビームON/OFF ができるマルチバンドRFKO による遅い ビーム取出し2022

    • Author(s)
      中西哲也, 奥川雄太郎, 塩川智也, 栗田哲郎
    • Organizer
      第19回日本加速器学会年会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi