粒子線がん治療装置のスポットスキャニング照射のための高速ビーム取出し制御の研究
Project/Area Number |
18K11924
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 哲也 日本大学, 生産工学部, 特任教授 (50440037)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | スピルの一様化 / 高速ビーム切り替え / 広帯域高周波ノックアウト / スポットスキャニング照射法 / シンクロトロン / ビーム取出し / ビーム取り出し / RFノックアウト / 遅いビーム取出し / スポットスキャニング / 粒子線治療 / 高周波ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
シンクロトロンからのビーム取出しをRFKO法で行う方式において、周回ビームをバンチングさせなくてもスピルを時間的に一様にできるマルチバンドカラードノイズ法を提案し、がん治療装置などへの適用を目的に研究開発を進めている。既に、若狭湾エネルギー研究センターのシンクロトロンを用いて原理実証試験を行い、シミュレーションで予想された結果と同様の結果を得ている。更に、本方式のもう一つの大きな特長であるビーム出射制御のビームoff時間が短時間で達成できることも実証した。また、同実験ではビーム軸方向の高周波電界の強度を変えて測定し、バンチングがスピルの一様性に与える影響を定量的に評価した。 令和3年度は、RFKOシステムの周波数特性をさらに改善し、より効果的なビーム取り出しができるように、APN回路の改良を実施した。これまでAPNの出力電圧の周波数特性は10%程度計算値よりも低下する問題があった。この問題について実験的に詳細に検討した結果、空芯コイルが回路的には集中定数としては取り扱えず分布定数として考える必要があると結論付けた。フェライトは一般に比透磁率が周波数により変化するため空芯としていたが、比透磁率が使用周波数帯で一定のものを再調査した結果、そのようなフェライトがあることが分かり、購入して実験した結果、計算値と一致した。さらに、より高い周波数帯でフラットな特性が得られるAPN回路を提案した。高周波側で特性が悪化する理由は、RFKO電極の静電容量が大きいことが原因であるため、等価的に静電容量を小さくするためにインダクタンスを並列接続した回路である。これにより、低周波側の特性は悪化するが、8MHz~17MHzの間でフラットに近い特性が得られることが計算で分かった。これは、炭素線治療装置において必要とされる高域周波数帯を十分にカバーしている。現在、回路を試作し実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンクロトロンからの遅いビーム取り出しにおいて、本研究で提案したマルチバンドRFKO取り出し法により周回ビームをバンチングすることなく一様なスピルが得られることを若狭湾エネルギー研究センターのシンクロトロンを使って実証した。また、もう一つの目標であった高速でビーム取り出しを offする研究において、応答速度の速い線量モニタを使えば、100マイクロ秒程度以下でスピルをoffできることを示した。RKFOシステムの主要回路であるAPNに関して、これまで問題になっていた中間周波数帯で出力特性が劣化する件について原因を究明し、必要なフェライトコアを調査・購入して試作・測定した結果、特性は改善した。現在、より高周波側で出力特性が改善できる回路を提案し実験中である。
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Strategy for Future Research Activity |
RFKOシステムの周波数特性をさらに改善してより効果的なビーム取り出しができるように、提案した新たなAll Pass Network回路で問題となっている課題を解決する。また、スピルのバラつきをさらに改善するために、RFKO信号のデジタルデータを局所的に変更するなどの方法について引き続き検討する。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)