2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of an epithermal neutron polarizing device
Project/Area Number |
18K11929
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
奥 隆之 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, リーダー (10301748)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中性子 / 偏極中性子 / 熱外中性子 / スピン交換光ポンピング法 / SEOP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、熱外中性子を効率良く偏極して用いるための、熱外中性子の偏極技術開発及びその実用化に関する研究として、熱外中性子を安定に且つ効率良く偏極させることができる唯一の方法であるスピン交換光ポンピング(Spin-Exchanged Optical Pumping, SEOP)法に基づくHe-3ガスを用いた中性子偏極フィルター(以下、He-3偏極フィルターと称する)の開発を目的としている。熱外中性子を効率良く偏極させるためには、多量([セルの単位体積]x[He-3ガス圧]/[中性子ビーム断面積]>25atm・cm)のHe-3ガスの核スピンを約80%程度以上の高い偏極度まで偏極させる必要がある。 本研究課題の最終年度である2020年度は、2年度目までに開発した技術を用いて、He-3ガス量26 atm・cmのHe-3偏極フィルターを開発した。そして、中性子透過率測定により、He-3偏極フィルターのHe-3核スピン偏極度を評価した結果、He-3核スピン度が85%を達成していることを確認した。また、このHe-3偏極フィルターを用いて、中性子偏極度~50%の熱外中性子(中性子エネルギー0.5eV)の発生に成功した。さらに、このHe-3偏極フィルターを用いて、原子核の時間反転対象性の破れに関する実験を行い、物理データの取得に成功した。得られた実験結果については、学会発表及び論文発表を行った。
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Research Products
(9 results)