2020 Fiscal Year Research-status Report
米国所在の占領期東京写真関連コレクションのカタロギングと写真読解手法の一般化
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18K11999
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10277832)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 占領期 / 写真 / 都市空間 / 東京 / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本来であれば2019年度の調査を継続するために渡米する予定であったが、叶わなかった。2019年度までに行った調査をもとに、デジタルアーカイブ学会で3回の発表、昭和館紀要『昭和のくらし研究』への投稿(依頼)、国会図書館発行の『カレント・アウェアネス』への投稿(依頼)で成果の発表を行った。本研究の基本的な枠組みについては、これらの原稿を通して、整理されてきている。2019年度に参加した大手前大学でのシンポジウムの内容が書籍化された。 デジタルアーカイブ学会では、「写真の里帰り:米国所在の戦後日本の写真を地域へ還元するプロセスとその課題」「インディペンデントで自発的な調査体: 鳥類学者オリヴァー・L・オースティンコレクションの写真調査をめぐって 」「写真撮影地点同定方法一般化の試み, 占領期のパーソナル写真を事例として」としてこれまで発表する機会がなかった調査活動についてまとめて伝えることができた。 『カレント・アウェアネス』へは上記の「写真の里帰り」を展開させて、「米国における占領期日本の写真資料をどう捉えるのか:現状・全体像・日本への還元における課題」について自分の調査活動を包括的にまとめることを心がけた。 これまでの調査の成果を踏まえて、2021年7月から9月に占領期京都のカラー写真の展覧会を企画することとなり、写真の選定、米国側の資料館・図書館関係者との連絡、展示の構成などその準備作業を行なっている。この件に関連して、京都新聞にて記事を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
そもそもの計画では20年度も現地調査を米国で行う予定であった。当初の計画に比した場合は、概ね順調だといえるが、19年度に活発に活動を行なったことが進捗を推進した大きな要因であるにすぎない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、収集した資料のデータベース化を進めるとともに、調査に基づく成果の書籍化、写真集の制作を目指して作業していく。またすでにデジタルアーカイブ学会、国会図書館『カレントアウェアネス』で寄稿した通り、写真が撮影された場所への還元プロジェクトや研究者たちのもつ米国所蔵のパブリックドメイン写真の統合的活用に向けてのスタディも続けていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していたアメリカへの調査が行えなかったため。
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Research Products
(5 results)