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2019 Fiscal Year Research-status Report

生体組織様ヒト立体バイオ心筋組織の遠心力による迅速な作製法の確立

Research Project

Project/Area Number 18K12068
Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

原口 裕次  東京女子医科大学, 医学部, 特任講師 (80272251)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords迅速立体組織作製 / 細胞間接着 / プレート遠心機 / 遠心力制御 / 藻類共培養 / 組織移植 / ヒト心筋組織 / 温調機能
Outline of Annual Research Achievements

これまでに開発した温調機能付きプレート遠心機を用い、ヒトiPS細胞由来心筋細胞等の細胞を用い、速やかに立体組織を作製する研究を行ってきた。これまで遠心力は80 x gを用い、立体組織を作製してきた。遠心力を高めることで、より速やかに立体組織は作製できると考えられるが、遠心力を高めることで遠心プレートにかかる遠心力の不均一性が大きくなり、組織厚が不均一になる可能性もある。実際C2C12マウス骨格筋芽細胞を用い作製した細胞シートは80 x gで遠心するときには、培養皿に均一に接着するのに対し、遠心力を高め220 x gで遠心すると細胞シートは遠心力の強くかかる方向である培養皿の外端にスライディングした。一方で遠心プレートにかかる遠心力の不均一性を調整するために、プレートの内側に重りを載せることで、220 x gで遠心しても細胞シートはスライディングや変形を起こすことなく培養皿に接着した。80 x gから220 x gに遠心力を高めることで細胞シートと培養皿および細胞シート同士が接着するまでの時間を五分の一に早めることができた(Biotechnology Progress、印刷中)。細胞シートからのLDH放出量および細胞シートの代謝を解析したところ、今回用いた遠心処理条件では細胞障害が起きていないことが分かった。この遠心力を制御した方法を用いることでバラバラの細胞を播種後、最短30分で0.2 mm以上の厚い立体組織を作製することが可能となった。迅速に作製した立体組織は細胞シート移植デバイスで移動することが可能な強度を持つ組織であった。またプレート遠心機を用い、速やかに作製したヒトiPS細胞由来心筋組織をラット皮下組織に移植し、移植後その拍動を確認することができた。作製した組織の配向性付与の実験に関しては、デバイスを用いることで作製組織を伸展することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度は温調機能付き遠心機を用いることで、細胞播種後90分程度で迅速に移植可能な立体組織を作製できることが示されたが、プレートにかかる遠心力を最適に制御することで移植可能な立体組織の作製時間をさらに三分の一に短縮することができた。すなわち本研究により遠心プレートにかかる遠心力を最適に制御することで細胞に悪影響なく立体組織の作製時間を大幅に短縮することが出来た。またこの遠心機を用いることで電気的・機能的に結合したヒトiPS細胞由来心筋組織をラット皮下組織に移植可能であること、移植後にその組織の拍動も確認した。遠心力を用いることで播種する細胞数に応じて厚い立体組織を迅速に作製できるが、ある厚さ以上の血管網のない組織は酸素・栄養素不足あるいは有害代謝産物の蓄積で組織障害を起こす。最終年度は遠心力を用いて作成した立体組織の厚さの限界を調べるとともに光合成生物藻類との共培養でその組織障害を緩和できるのか生化学的・組織学的に解析する予定である。また作製した立体組織を、デバイスを用いることで伸展させることにもこれまでに成功している。最終年度も引き続きデバイスを用いた伸展組織作製とともに、遠心力を用い伸展組織を作製する実験も行う予定である。研究の進捗状況はおおむね研究開始前に立てた研究計画通りに進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は温調機能付きプレート遠心機を用い、これまでに確立したプロトコールにより作製した立体組織の厚さの限界を調べる予定である。播種する細胞数に応じて厚い立体組織を迅速に作製できることがこれまでの研究で分かっている。移植する細胞数が多い程、治療効果も高くなると考えられるので、厚い組織の移植が好ましいが、血管網のない組織においては、ある厚さ以上になると組織内部での低酸素・低栄養あるいは有害代謝産物の蓄積で組織障害を起こし、厚さの限界がある。そこでin vitroの実験でどの程度厚い組織まで維持培養できるのか調べる。そして組織厚の限界が判明した後に、その厚さ以上の組織を作製し光合成生物藻類と共培養することで、組織内部の悪環境が改善され、さらに厚い立体組織を作製できるか調べる。また引き続き容易に伸展組織を作製できる方法についても探索する。

Causes of Carryover

前年度使用予定であった研究費から最終年度に使用できる研究費が11,904円生じた。そこで最終年度はこの研究費および当初の予定通り使用できる研究費を使用させていただき、迅速に作製した立体組織の組織厚の限界を解析する実験、および藻類と共培養することでその組織厚の限界を超える立体組織を維持培養できるのかについての実験を行う予定である。さらに配向性を有する組織の作製実験も行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Analysis of force vector field during centrifugation for optimizing cell sheet adhesion.2019

    • Author(s)
      Haraguchi Y, Kagawa Y, Kubo H, Shimizu T.
    • Journal Title

      Biotechnology Progress

      Volume: 35 Pages: e2857

    • DOI

      10.1002/btpr.2857

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-01-27  

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