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2018 Fiscal Year Research-status Report

発声に注目した東アジア言語声調の音韻的研究

Research Project

Project/Area Number 18K12371
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

高橋 康徳  神戸大学, 大学教育推進機構, 講師 (90709320)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords音韻論 / 声調 / 中国語 / ベトナム語 / 発声
Outline of Annual Research Achievements

2018年度はベトナム語・中国語ともに調査環境の整備、基礎データの収集、分析方針の策定を中心に行なった。また、それらに加えて、より高度な声調分析を行うために最新の統計分析方法を適用した論文を発表し、今後のベトナム語・中国語の分析に適用可能であるかを検討した。以下、各点について詳述する。
ベトナム語の調査は2018年8月にハノイにて現地調査協力者を確保して基本的な声調体系と発話中での声調実現に関するデータを収集した。帰国後、データの整理作業と分析方針を決定し現在分析を行なっている。それと同時に、これまでのベトナム語声調音韻論の先行研究を収集し、特に「発声を弁別的に用いる声調」がどのような音韻構造を持つと解釈されるのかを詳細に調査した。
中国語の研究では、北京語話者の声調体系の詳細な音声データを収集した。音声データの分析の結果、北京語では弁別的では無いものの発声の変化を伴いやすい低声調が、上記ベトナム語の「発声を弁別的に用いる声調」と類似点が多いことが分かった。
統計に関しては声調分析で有効と考えられている最新の統計分析(Smoothing Spline ANOVA: SSANOVA)を既存の上海語データに適用した論文を発表した。SSANOVAはピッチ曲線全体を明確に比較できる点が強みであり、従来の「点的な統計処理」よりも信頼性が高く、中国語(普通話)やベトナム語のピッチ曲線の分析でも問題なく利用できることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ベトナムでの調査を行う上で必要な現地協力者を得ることができ、さらに本年度収集するべき基本データは全て取ることができた。

Strategy for Future Research Activity

2019年度は、引き続き声調に関する音声データ収集を行う。ベトナム・ハノイにて夏と春の2回の現地調査を行い、特に朗読音声など長時間の発話音声の収集を目指す。これらのデータの分析を進めつつベトナム語声調音韻論の考察作業を始める。特に「発声を弁別的に用いる声調」が発声と直接関連する音韻素性を持つのかを単独発話および文章朗読の音声データから検証する。2019年度中に先行研究のレビューと初期調査をまとめた報告を発表することを目指す。
中国語に関しては引き続きデータの拡充を進めつつ、発声の変化を伴いやすい声調の詳細な記述を行う。必要であれば、中国北京での現地調査を行う。

Causes of Carryover

2018年度は2回のベトナム現地調査を予定していたが2018年8月の1度しか行くことができなかったため、次年度使用額が生じた。2019年度は2回のベトナム現地調査および1回の中国現地調査を計画しており、当初の交付予定額では旅費の不足が生じる恐れがあったため、次年度使用額は旅費に補填する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] The phonological status of Low tones in Shanghai tone sandhi: Default tones or boundary tones?2019

    • Author(s)
      Takahashi Yasunori
    • Journal Title

      Language and Linguistics

      Volume: 20 Pages: 15-45

    • DOI

      https://doi.org/10.1075/lali.00028.tak

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2019-12-27  

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