2020 Fiscal Year Research-status Report
Study for the rainfall and the water vapor variation before the monsoon onset on the south slopes of the Himalayas
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18K12576
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
福島 あずさ 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (40634209)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プレモンスーン / 降雨の地域性 / ヒマラヤ山脈南麓 |
Outline of Annual Research Achievements |
ネパールの降水量データと再解析データを用い、プレモンスーン季の降水システムと亜熱帯ジェット気流の関係について解析を行った。プレモンスーン季後半の連続的な降雨がモンスーンの開始と深く関係していることが示唆されており、具体的には、相当温位の鉛直差分移流に基づく大気安定度インデックス(CII)により降雨前後の成層判定を行うと、下層の水蒸気フラックスの増大に伴い大気の不安定度が高まっていることが明らかになった。この成果について現在、投稿準備を進めている。今後進める熱・水収支解析の結果との整合性があれば、本研究における仮説を検証することができると考えられる。 さらに、ヒマラヤ山脈南麓東部のインド北東部アッサム州における地上雨量計データをもとに、大雨発生事例を抽出し、循環場の特徴を類型化するための解析を進めている。プレモンスーン季の大雨事例は、アッサム州西部のヒマラヤ南麓を中心に高頻度に発生しており、その要因となる循環場はネパールの事例と類似している。大雨などの極端現象は、温暖化により激甚化する傾向にあることがIPCCの報告書においても指摘されており、ヒマラヤ斜面域でも防災上特に注意の必要な現象の一つである。なおこちらについてはプレモンスーン季に加えてモンスーン季も対象としており、今後、モンスーン開始後のヒマラヤ南麓における対流活動の役割(チベット高気圧の発達に果たす役割)を明らかにする上で重要な予備研究となる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため、データ収集のための海外渡航が不可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症対策のため、2021年5月現在、海外渡航は難しい状況が続いている。したがって、既に収集済みのデータや公開されているGPSデータを用いて解析を進め、成果を学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、海外渡航が規制され出張が不可となったため。
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