2019 Fiscal Year Research-status Report
20世紀の多国籍企業と国際課税―環境適応と制度変化のダイナミクス
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18K12825
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井澤 龍 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30761225)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経営史 / 経済史 / 国際経営 / 国際税務 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間中、2本の論文、2回の研究報告(国際学会1回)を発表した。論文について、①European Business History Association 2019年大会報告をベースにしたWho, me? Tax Planning and Japanese Multinational Enterprises, 1887-2019を、滋賀大学経済学部Working Paperにて発表した。この論文は、研究課題である日本多国籍企業と国際課税問題について、長い時間軸の視点からこの関係性の変化過程を探究したものである。研究史上、等閑視されていた国際課税が企業経営に及ぼしてきた影響を日本企業についても探究したことで、日本多国籍企業研究の深耕に寄与したものと考える。②前年度にWorking Paper化した論文"Corporate Structural Change for Tax Avoidance: British Multinational Enterprises and International Double Taxation between the First and Second World Wars"が、経営史学の代表的な国際ジャーナルの一つであるBusiness Historyにアクセプトされた(当該年度では、online上での掲載)。この論文では、1914年から1945年の国際的二重課税問題が、イギリス多国籍企業の経営に与えた影響を分析し、現代的なタックス・プランニングが行われ、また、それが企業組織・戦略をも変化させていたケースがあることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度課題とした日本企業・国際課税史に関する研究成果を今年度あげることができたこともあり、論文執筆、研究報告状況ともに概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計画していた史料収集を行い、論文の執筆、研究報告に励もうとしている。ただし、新型コロナウィルスの影響により、国内外どちらともで史料収集を予定通り行えない見込みが強い。
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Causes of Carryover |
購入予定の物品が年度内に間に合わなかったため、次年度に請求を繰り越した。
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Research Products
(4 results)