2020 Fiscal Year Research-status Report
20世紀の多国籍企業と国際課税―環境適応と制度変化のダイナミクス
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18K12825
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井澤 龍 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (30761225)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経営史 / 経済史 / 国際経営 / 国際税務 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間中、5回の研究報告を行い(採択含む)、1本の論文を発表した。 【研究報告について】①関西大学経済・政治研究所主催の第241回産業セミナーで発表した「国際課税制度が創設されたとき: 100年前のイギリスと世界」では、研究者だけでなく経営者、企業・行政関係者、社会人にも開かれた研究会の性質から、報告者が2011年以来行ってきた研究活動の総括的な報告を行い、このために国際課税史研究を行う意義や課税問題の本質について掘り下げる研究報告を行った。②多国籍企業学会第76回東部部会(「国際経営史と国際経営論の接合点」)、経営史学会第56回全国大会(「2000-2019 年の高被引用文献にみる日米欧の経営史研究」)での報告では、日米欧の経営史研究状況をサーベイし、日本の研究状況の相対化を図る研究方向を行った。これらの研究報告により、報告者の研究テーマ(多国籍企業と国際課税問題)の意義付けが明確となり、経営史・経済史研究上の重要領域と再確認されつつあることを示すことができた。社会経済史学会第89回全国大会については2本の報告準備を行ったものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、大会がキャンセルされ、報告を行うことはできなかった。ただし、研究報告について採択はされ、また研究上の進展があったため、研究実績とした。これらの報告準備の成果を次年度以降に反映させる予定である。 【研究論文について】①の研究報告に基づいて、関西大学経済・政治研究所が発行する『セミナー年報2020』にて論文を発表した。10年の研究成果を概括し、今後の研究について展望を加えた論文となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による渡航制限、研究会のキャンセルにより、研究史料・研究報告機会が大幅に制限された年度となった。大学の移籍も加わり、研究進度が当初の予定より遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も新型コロナウイルス感染症による研究史料のアクセス制限は続くものと思われる。外国史研究者にとって状況は極めて厳しいが、現有の史料、日本国内でアクセス可能な史資料を入手し研究を進める予定である。研究報告、論文執筆の機会についても同様に可能なことを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大により海外渡航・国内長距離移動が実質不可能となり、旅費の支出がゼロとなった。次年度も状況の大幅改善は期待しづらい。使用計画においては科研費の延長を視野に入れながら、無暗な支出を避け、科研費テーマ遂行のために必要な物品等を購入する。
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Research Products
(6 results)