2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Acculturation Process of Second-Generation Brazilians in Contemporary Japan
Project/Area Number |
18K12958
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
山本 直子 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 講師 (10817208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日系ブラジル人 / 第二世代 / 文化変容 / 移民の子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長年にわたって学業不振、進学率の低迷が指摘されてきた在日ブラジル人第二世代について、ホスト社会の制度やエスニック・コミュニティとのつながりに着目し、現代日本社会の状況を反映した「分節同化理論」の修正仮説の提示を試みることである。最終年度である2024年度の大きな成果は、以下の2点である。①ブラジル人子育て世帯に対するオンライン調査を実施した。②これまでに行ってきた調査の内容をまとめ、本研究成果として、明石書店から単著『「多文化共生言説」を問い直すー日系ブラジル人第二世代・支援の功罪・主体的な社会編入』(2024年3月)を出版した。 ブラジル人第二世代の若者への質的調査および量的調査により得られたデータから、昨今の情報通信技術の発達による母国メディアやSNSの利用が、在日ブラジル人第二世代の社会編入のされ方に与える影響について検討を行った。 ①については、日本で子どもを育てるブラジル国籍者120人を対象に、オンラインによる調査を実施し、子育ての状況、母国とのつながり、親の仕事や世帯の経済状況、住宅環境などについてのデータを収集し、ここまでに実施した質的調査の内容を量的にも分析することを試みた。 ②については、日本に暮らすブラジル人第二世代が置かれた状況を分節同化理論に基づき、制度、社会的状況、人々の態度から詳細に検討し、「多文化共生」言説に含まれる問題性を指摘した。詳細な一次データを書籍として出版することにより、ここまでの研究成果を社会に還元することができた。
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