2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K12999
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
福間 隆康 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離職意思 / 役割の曖昧さ / 役割荷重 / 自己効力感 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業に入社した障がい者が組織社会化されるプロセスを分析することによって、職場定着と離職を分ける要因を明らかにすることである。
本年度は、重要文献をレビューしたうえで、特例子会社に勤務している精神障がいのある従業員、身体障がいのある従業員に対する質問紙調査を行った。その結果、精神障がいのある従業員の場合、役割の曖昧さは離職意思に正の影響を与えること、役割荷重と離職意思との間には関係がみられないこと、自己効力感と離職意思との間には関係がみられないこと、役割の曖昧さと離職意思との関係は自己効力感によって調整されること、ソーシャルサポートは離職意思に負の影響を与えることがわかった。一方、身体障がいのある従業員の場合、役割の曖昧さと離職意思との間には関係がみられないこと、役割荷重と離職意思との間には関係がみられないこと、自己効力感と離職意思との間には関係がみられないこと、ソーシャルサポートは離職意思に負の影響を与えることがわかった。
自己効力感が精神障がいのある従業員に特有のものであるか否かを確認するため、本研究では、精神障がいのある従業員と身体障がいのある従業員を比較する分析を行った。その結果、精神障がいのある従業員の場合のみ、自己効力感が低い者は、役割の曖昧さが増すほど、離職意思が高くなっており、自己効力感の調整効果が精神障がいのある従業員に特有のものであることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の検討が順調に進んだ。質問紙調査については、全部で9社の協力が得られ、有益な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は特例子会社に勤務する精神障がいのある従業員と知的障がいのある従業員を中心に進める。収集したデータを比較分析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、2~3月に予定していた調査、情報および資料収集が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、実施できなかったことがあげられる。
次年度の追加調査および研究成果発表に伴う旅費としての支出を予定している。
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