2019 Fiscal Year Research-status Report
保健水準の向上を目標とする学校健診情報の利活用に向けた社会との相互理解の形成
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18K13110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井出 和希 京都大学, 学際融合教育研究推進センター, 学融合フェロー・研究員 (60796275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学校保健 / ELSI / 質問紙調査 / 疫学 / 健康情報学 / 予防医学 / 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
探索的に行った7自治体の保護者を対象とした調査結果を論文としてまとめた。加えて、「健康情報の利活用・パーソナルヘルスレコードに対する認識と希望」として、全国47都道府県を対象とした質問紙調査を遂行した。全国規模の調査については、学会において発表し、並行して前年度に行った17自治体(79校、7495名)の保護者を対象とした調査結果の詳細な分析と論文化を進めている。全国規模の調査では、34627名に回答依頼メールを送付 し、5394名(男性2699名、女性2695名)が回答した。12.3%の回答者が既に健康関連アプリを利用している一方、PHRという単語を認知している回答者は7.5%であった。自身および子どもの情報を含むPHRの利用に対しては、44.4%の回答者が利用したいと回答した。また、「将来の健康状態の予測や注意点を知ること」に対する希望が最も高頻度に認められた(37.7%)。なお、結果の解釈にあたり、健康関連アプリの利用者は12.3%に留まり、PHRという単語の認知度も低いことから、調査時に「パーソナルヘルスレコード」に関する説明が十分であったかという点には留意を要する。回答として挙げられた希望を満たすと共に、同調査において抽出された「個人情報の取り扱いに係るセキュリティ上の問題」といった懸念事項についても対応し、相互理解を形成することが重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に報告した保護者等を対象とした調査について、計画通り分析を進めた。また、主たる成果として、本研究課題に係る7自治体を対象とした調査について、「School Health」誌に論文が受理されたため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、2019年度に整備した質問紙調査の分析用データセットを活用し、詳細な分析、論文執筆を進める。当該分析により、相互理解の形成に役立つ基盤的な成果を蓄積する。
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Causes of Carryover |
物品費や旅費において当初計画と若干の差があり、次年度使用額が生じた。次年度における情報収集や調査結果の整理、成果発表において有効に活用する。
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Research Products
(18 results)