2020 Fiscal Year Research-status Report
保健水準の向上を目標とする学校健診情報の利活用に向けた社会との相互理解の形成
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18K13110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井出 和希 京都大学, iPS細胞研究所, 特定助教 (60796275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校保健 / ELSI / 質問紙調査 / 疫学 / 健康情報学 / 予防医学 / 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの調査において、学校健診情報を要約したレポートが、家庭において健康について話すことや保護者の子の健康に対する関心の向上に繋がることが示唆された。レポートにおいては、学校健診情報の分析結果に加えて、子どもの健康に関する情報を付している。本研究課題において目標とする「保健水準の向上」や「社会との相互理解の形成」においては、受け手にとって役立つ情報を提供することも重要である。その際、受け手が多様な媒体を通して触れる情報についても知る必要がある。特に、未査読論文(プレプリント)は、新型コロナウイルス感染症の拡がりと共に脚光を浴び、その速報性から情報の根拠として参照されることもあった。一方、その動向や質について留意すべき点は十分に検討されていない。そこで、主要なプレプリントサーバ(arXiv、ChemRxiv、medRxiv、bioRxiv、Social Science Research Network(SSRN)、Preprints with The Lancet(SSRNの一部であるが、医学系研究に焦点を絞ったプラットフォームであるため区分した))を対象として、新型コロナウイルス感染症に関わるプレプリントの数の経時的な変化(公開動向)を分析した。その数は2020年9月末時点で16,066報に及んだ。加えて、取り下げから一定期間を経たのちに原稿そのものが削除されるものやダウンロード後の原稿からは取り下げられたものであるかどうかが判断できないものがあることも明らかとなった。これらの問題や情報を利用する側の留意を含め、論考において整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡がりに伴い、学会等での情報収集・意見交換やフィールドにおける活動は困難であった。一方、感染症禍で浮き彫りとなった「情報」の質に関する問題にアプローチし、研究成果が論考として学術誌に受理されたため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、2020年度に進めた調査を発展・深化させることで、社会との相互理解の基盤となる成果の蓄積を図る。また、学会等での情報収集や論文に留まらない形での情報発信についても試行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響から、旅費、物品費等において当初計画と差が生じた。次年度における情報収集や調査、結果の整理、成果発表のために有効に活用する。
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Research Products
(21 results)
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[Book] 学問の在り方-真理探究、学会、評価をめぐる省察-.2021
Author(s)
熊澤峰夫, 上野ふき, 久木田水生, 井出和希, 渡辺彩加, 村上祐子, 吉岡(小林)徹, 安藤悠太, 中村秀規, 杉谷和哉, 鈴木秀憲, 東原紘道, 宮野公樹.
Total Pages
147 pp
Publisher
ユニオン・エー
ISBN
978-4-908679-08-7
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