2023 Fiscal Year Annual Research Report
Social psychological approach to support for autism spectrum disorder "gray zone"
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18K13284
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
原田 知佳 名城大学, 人間学部, 准教授 (00632267)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自己制御 / チーム / 集団パフォーマンス / チーム・プロセス / 心理的安全性 / 社会的自己制御 / CLPM / RI-CLPM |
Outline of Annual Research Achievements |
■企業現場での検討:企業組織のビジネスチームを対象とした研究では,チーム内のコミュニケーションが目標への共同を促進するといったチーム・プロセスを経て,チーム・パフォーマンスの向上に結びつくことを報告している。しかし,チーム・プロセスの先行要因については実証的検証が少ないことから,その点を検討した。チームレベルの関連を検討した結果,チームの心理的安全性は,チーム・プロセス(コミュニケーション・目標協働)やチームパフォーマンス(適切対応・新規課題への取り組み)と正の関連が示された。また,チームの自己主張はコミュニケーションと,自己抑制は適切対応と正の関連が示された。個人レベルの影響過程を見るために,上司のマネジメント,心理的安全性および社会的感受性,社会的自己制御がチーム・プロセスの2側面それぞれに影響し,結果としてパフォーマンスに結びつくというモデルを検証した。分析の結果,心理的安全性はコミュニケーションへ強く影響している一方で,上司のマネジメントは目標協働へ強く影響していた。 ■学校現場での検討:近年,CLPM(交差遅延パネルモデル)で個人間関係を,RI-CLPM(ランダム切片交差遅延パネルモデル)で個人内関係を検証し,比較する報告も増えてきたことから,中学3年間の縦断データを用いて,社会的自己制御(SSR;社会的場面で,個人の欲求や意思と現状認知との間でズレが起こったときに,内的基準・外的基準の必要性に応じて自己を主張する,もしくは,抑制する能力)の個人内・個人間プロセスを比較検証した。友人とのポジティブな関わりは自己主張や持続的対処・根気に対して正の影響を及ぼしており,自己主張については個人内関係でも同様の結果が示された。教師のM機能は,中1から中2でSSRに対して正の影響が確認され,自己主張と持続的対処・根気については個人内関係でも同様のパスが確認された。
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