2020 Fiscal Year Research-status Report
Continuum theory of growing cellular tissues and its application to organ formation
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18K13516
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藪中 俊介 九州大学, 理学研究院, 助教 (60749852)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 連続体理論 / 極性の記憶効果 / 細胞組織 / 界面の安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞組織の連続体理論に関しては、東京大学の石原秀至氏らと2細胞混合系に関する定式化を進め、数値的な実装も進める予定であった。しかし、出張制限などにより、国内、海外の研究者との共同研究に関する議論が進められない部分も多く研究の進捗が十分ではなかった。しかしながら、2細胞混合系の理論的な定式化は境界以外では定式化のめどが立っており、1細胞系での界面の取り扱い方を延長することで境界も含めた2細胞混合系に関する定式化が可能であると考えている。この手法により、実験を行なっている東京大学の杉村薫氏などと共同し細胞競合などの2細胞混合系のダイナミクスを理論的な方面から解析することができるのではないかと期待している。 昨年度に引き続き、大阪大学の松下勝義氏、藤本仰一氏とCellular potts modelを用いた、極性の記憶効果による極性揺らぎの抑制効果に関する研究を進め、論文の投稿を行い、J. Phys. Soc. Jpn., Vol.90, No.5, Article ID: 054801 (2021)として発行された。 また、慶應大学の藤谷洋平氏と本研究とも類似する側面を持つ問題として臨界流体中での界面の安定性の研究を開始した。解析的な方面でいくつかの進展があったものの、具体的な数値解析がさらに必要であると考えている。さらに、細管中の臨界2元混合系の圧力勾配、化学ポテンシャル勾配下での流動に関しても研究を行い、論文を近いうちに投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外、国内の共同研究者との議論が出張制限、大学での遠隔授業の対応などにより十分進められなかったことが挙げられる。しかし、今年度後半からはこのような状況は改善すると考えられ、電話会議による議論と並行して可能なところから出張を行いながら研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
電話会議及び、可能であれば実際に出張し、Philippe Marcq氏、石原秀至氏らとの議論を進め、理論及び数値計算を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延により出張が困難になったため次年度使用額が生じた。今年度状況が改善し次第出張を進める予定である。
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