2018 Fiscal Year Research-status Report
放射量周波数選択化による導波管スロットアレーアンテナの低干渉化の研究
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18K13754
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸村 崇 東京工業大学, 工学院, 助教 (10803992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アンテナ / ミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィルタ設計理論による2×2素子導波管スロットアレーを設計した.設計するアンテナを等価回路で表し,その等価回路のパラメータをフィルタの回路合成理論より導出する.次に回路パラメータと各コンポーネントの物理構造の関係を算出し,得られた関係からアンテナ全体の物理構造を決定する.一例として比帯域5%のChebyshev特性で2×2素子スロットアレーを設計し,等価回路と同程度の反射特性が得られた. 本アンテナをサブアレーとするE帯4x4素子アンテナをアルミ積層薄板導波管で試作した.反射特性は所望の帯域幅を実現していることを確認した.また,放射特性は広範囲に渡って設計値と同様の特性を実現しており,寸法誤差が少ないことを確認した.一方で利得の周波数特性は解析値より低下しており,その原因を解明していく必要がある. 構造簡素化検討として垂直方向並列給電4層平行平板45度偏波スロットアレーアンテナを設計した.本アンテナは4層構造となっており,下から給電回路を含む結合開口層,誘電体付き放射スロット層,寄生スロット層及び付加スロット層からなる.ここで付加スロットだけは,所望の偏波を形成するため主軸に対して45度の傾きをもたせる.なお,各層の間には空気層が設けられており,電気的接触はない.解析の結果,60GHz帯16×16素子アレーにおいて,VSWR<1.5の帯域幅12.9%,動作利得1dB低下帯域幅12.7%,設計周波数におけるアンテナ効率78%を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究進捗状況は順調に進んでいる.フィルタ設計理論に基づく一意的設計法の一例として,帯域幅5%の単共振の設計法の確立に成功した.アンテナを試作し,設計理論の妥当性を実験で確認した.また,構造簡素化検討として45度偏波スロットアレーアンテナを設計したため. 構造簡素化検討に関して,当初の目標とする性能を実現するアンテナの設計に成功しているため.当初の計画では2年目前半に設計が終わる予定であったが想定以上に進捗している.以上の理由により本研究課題はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,二周波数帯で動作するアンテナの簡易構成設計法を確立する.初年度に確立した設計法を適用し,その有効性を確認する.構造簡素化検討に関しては,既に設計が完了しているため,実験により性能が得られているかの検証を行う.一方で,初年度のアンテナ試作より,導電率が低いことが推測され,この評価方法を確立する.
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Causes of Carryover |
既存の校正キットでも高性能な測定が出来ることを確認したため節約できた.今年度はアンテナ試作費及び測定用冶具,学会発表のための旅費,論文投稿に使用する計画である.
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