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2020 Fiscal Year Research-status Report

次世代の多機能CLTの開発 - 革新的な高耐火・高断熱の構造部材 -

Research Project

Project/Area Number 18K13870
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

鷹野 敦  鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (70778092)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCLT / 耐火 / 断熱
Outline of Annual Research Achievements

前年度までの成果を踏まえ、2020年度は主に、断熱性能のより合理的な向上を目指し、スギラミナへの有孔加工による熱抵抗の向上可能性について定量化を試みた。
孔の直径と深さをパラメーターとし、有孔加工によるスギラミナの熱伝導率の変化を実測により確認した。孔直径による影響は、300mm角、厚さ6mmの小型試験体(ラミナ)に9種類の異なる径(1.5、3、6、10、14、18、22、27、31mm)の孔を加工し、比較を行った(開孔率は全て約10%に統一)。また、孔の深さとアスペクト比の影響を確認するため、300mm角のラミナの厚みを変え(6、12、18、24、30mm)、それぞれに3種類の異なる径(3、10、18mm)の孔を加工し、比較検証を行った。
結果として、孔の熱抵抗と形状(直径および深さ)に相関を確認することができ、定量式としてまとめることができた。基本的に、孔の直径が小さく深い(アスペクト比が大きい)ほど、熱抵抗は向上する。例えば、直径18mm、深さ30mmの孔の熱抵抗値が約0.193m2K/Wであるのに対し、直径3mm、深さ30mmの孔の熱抵抗値は約0.341m2K/Wとなり、約1.7倍の熱抵抗を得ることが確認された。一般的にCLTのラミナは30mm前後の厚さとなる。スギラミナの熱伝導率を0.12W/mKと想定した場合、30mm厚で熱抵抗値は0.23m2K/Wであり、直径3mmの孔は約1.5倍の熱抵抗を有することになる。なお、熱伝導率の測定は上向熱流の条件で行ったため、壁体として用いるCLTに加工を施した場合は、さらに熱抵抗値が向上すると予想される。
現在は、有孔可能による耐火性能および構造性能への影響を検証中である。また、これまでに行ってきた異樹種の組み合わせやラミナ表面への加工の効果を整理し、木質材料のみで構成する高断熱・高耐火CLT部材のモデルのまとめを行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度の遅れに加え、新型コロナウイルスの影響により活動の速度が低下したことで、当初計画よりも若干進捗が遅れている。ただし、今後の作業内容および目標は明確に定まっており、適切な体制を組んで取り組むことで、成果の達成については問題ないと考えている。

Strategy for Future Research Activity

これまでの成果を整理し、今後の検証項目を明確化して効率的に実験作業に取り組む。研究補助員を増員し、実験や結果の取りまとめの速度を向上させる。新型コロナウイルスの感染状況の予断が不透明なため、小型試験体による基礎的な実験を中心に取り組む。

Causes of Carryover

研究の進捗状況を鑑み、小型試験体での基礎試験の継続実施を優先したため、経費支出が当初計画よりも少なくなった。また、コロナ禍による移動制限により、見込んでいた出張(遠方での実験など)が実施できず、予算が残った。繰越となった予算は、2021年度に実験経費として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 多機能CLTの開発2020

    • Author(s)
      中村恭子、鷹野敦、池畑裕貴、柴田未来
    • Organizer
      2020年度日本建築学会九州支部研究発表

URL: 

Published: 2021-12-27  

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