2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Particulate Matter Generator from Marine Fuel Oil for Element Test
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18K13944
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
中村 真由子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10762057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 舶用機関 / プール燃焼 / サーマルオプティカル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は燃焼予備試験と燃焼装置物品の選定、サンプリング部の作成を実施した。本研究で作成する燃焼装置はプール燃焼を用いたものであり、舶用機関の噴霧燃焼とは異なるため、予備試験を実施した。燃焼予備試験で使用した燃料は、試験機関の運転に使用している燃料油であるA重油とC重油、重油中の成分であるヘキサデカンと1-メチルナフタレンである。燃焼予備試験では、引火点の高い舶用燃料油をどの用に加熱すれば点火できるかの確認と、プール燃焼させることで粒子状物質やすすが生成するのかの確認を実施した。試験燃料をシャーレに入れ、引火点まで加熱式天秤を用いて加熱した。引火点付近でバーナーの火炎を近づけ着火を試みた。すべての燃料が引火点を過ぎればバーナーで着火できることを確認した。また、プール燃焼時にもすすの生成が確認できた。過去の知見から1-メチルナフタレンはすすが生成しやすいとされている。そのため目視の所感ではあるが、1-メチルナフタレンを燃焼した際のすす生成が最も多かった。燃焼装置作製の際も、予備試験同様に加熱式天秤を用い、手動で着火させることでプール燃焼させる方針に決めた。燃焼装置物品の選定は、参考とした論文で使用されているプール燃焼装置を参考にし、燃料供給部や供給する空気の整流方法を検討し、物品を購入した。サンプリング部は、試験機関からの粒子状物質捕集に使用しているフィルタフォルダを使用することとした。観察部の検討が遅れているため、次年度に燃焼装置の作成と平衡して実施することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度に予定していた燃焼装置の作成が終了していない。燃焼予備試験は実施し、当所の計画通り、引火点まで試験燃料を加熱した後に着火すれば重油もプール燃焼できることがわかった。重油は引火点が100度を超えるものがあり、過去の知見でプール燃焼装置に使用されている燃料よりも非常に高いため、ヒーターが必要であることが確認できた。装置の詳細は、参考としている論文に使用されている装置を見学し、燃料供給部や空気供給部の構造を検討した。サンプリング部は粒子状物質の捕集に使用しているフィルタフォルダを使用し、サンプリング時には全量を捕集し、温調できるようにすることにした。採取した粒子状物質の分析に使用する機器はGCMSを除いて良好に運転できている。粒子状物質中の炭素成分を分析可能なサーマルオプティカルアナライザーのプロトコルを作成し、より細かい温度で分析できるようにした。GCMSは今後調整が必要なため、来年度の課題とする。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度はまず装置の作成を8月までに終了させ、研究計画の遅れを調整する。観察部の検討が終了していないため、燃焼時の温度に耐えられるかつ、火炎を観察できる石英ガラスを第一候補としてテスト装置を作成し、本試験装置の作成を実施する。舶用燃料を想定した試験燃料は必ず加熱が必要となるため、燃料を加熱し、燃焼に使用した燃料量を把握することができる加熱式天秤を用いることとする。装置が作成できたら、フィルタへのサンプリングを実施し、全量捕集に問題がないか、火炎は観察できるか等を確認する。特に捕集量は分析時の検出限界や回収率とも関連するため、分析を実施しながら確認をすることとする。使用する燃料は、ヘキサデカン、1-メチルナフタレン、A重油、C重油とし、捕集量や分析方法が確立できたら、硫黄分や金属分を混合して系統的な試験を実施する。分析はGCMSによって多環芳香族炭化水素および直鎖の炭化水素の分析の実施も試みる。また、硫黄分を含む場合は硫酸・硫酸塩の分析を実施するため、イオンクロマトグラフィーで分析を実施する。また、最終年度で分析装置を検討するサーマルオプティカルアナライザーでの分析も実施し、炭素成分を分析する。
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Causes of Carryover |
装置の作成が遅れているため。特に観察部の検討が遅れている。研究計画当初の予定通り、燃焼装置作成のために使用する。
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