2018 Fiscal Year Research-status Report
地上計測とドローンを用いた高時空間分解能の森林蒸散量の推定
Project/Area Number |
18K14492
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
篠原 慶規 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10615446)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 蒸発散 / 表面温度 / リモートセンシング / 水資源 / ドローン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,蒸散量の地上計測に,ドローンを用いて得られた空撮画像などを組み合わせることで,高時空間分解能の森林蒸散量推定手法を開発することを目的としている。空撮画像としては,一般的な可視画像,熱赤外画像,マルチスペクトル画像の3つを用いる。可視画像からオルソ画像を作成する方法は,構築されているが,熱赤外画像やマルチスペクトル画像については十分な検証がされていない。そこで,まず,熱赤外画像が取得できるドローンを用いて,熱画像取得に最適な飛行方法を検討すると共に,得られた画像からオルソ画像を作成する方法について検証を行った。マルチスペクトル画像が取得できるドローンも同様の検証を行った。検証は,条件の良い農地(宮崎大学木花フィールド)で行い,その後,森林(宮崎大学田野フィールド、九州大学福岡演習林)でも行った。 同時並行して,最終的に用いるモデリングに向けての準備も行った。ドローンと同じように熱画像が得られる衛星データを用いて,伐採で森林が変化した場合,地表面温度は,どの程度変化するのかを調べた。また,蒸散量の地上計測の精度について検証すると共に,農地で主に用いられてきた衛星の熱画像から蒸発散量を推定するモデルの出力値を地上計測で得られた蒸発散の実測値と比較することで,森林での適用性について検討した。その結果,森林でもある程度適応可能なものの,より高い精度で蒸発散量を推定するためには,パラメータの調整などを行う必要があることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に行う予定であったドローンの飛行方法の検証については、様々な観点から行うことができた。定期的に行う予定であった空撮については,1年目はスタートできなかったが,当初2年目後半から行う予定であったモデリングに着手することができた。このように,当初の計画と順番が入れ替わっている点もあるが,概ね順調に研究が進んでいると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
より最適な飛行方法などを引き続き検討する他、熱赤外画像、マルチスペクトル画像の定期的な取得を目指す。画像解析を行うことで、これらと森林蒸散量との関係を調べると共に、衛星データを使ったモデリングについても進めていく予定である。ドローンを用いたリモートセンシング技術は、急速に発展している途上にあるため、学会等での情報収集も綿密に行う予定である。
|
Causes of Carryover |
技術の進展に伴い使用する機材の若干などが主な理由である。次年度以降、ドローンの検証に用いる消耗品や学会発表の旅費等に用い研究を充実させる予定である。
|