2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of neuroprotective actions of astrocytes in the inflammatory tissues during cerebral infarction
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18K14915
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 敬 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (40511374)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アストロサイト / イメージング / 脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞は、詳細な病態解明が十分には進んでおらず、根治的な治療法の確立が難しい。特に、病態を増悪していると考えられている梗塞後の組織炎症については、神経細胞のみならずグリア細胞などの多くの細胞が関与するため、病態進行機序は非常に複雑で、詳細は不明なままである。そこで、本研究では、グリア細胞の多くを占めるアストロサイトと神経細胞に注目し、梗塞後の脳組織におけるアストロサイトの神経細胞への作用を解明することを目的としている。当該年度では、脳梗塞後の炎症過程を忠実に再現するため、血栓塞栓による脳梗塞マウスモデルの確立に取り組んだ。このマウスモデルでは、脳梗塞後の脳血流を実際の病態に合わせるため、脳への主要な血流供給経路である総頚動脈および内頚動脈に損傷を与えないよう、外頚動脈から逆行性に血栓を注入する。この脳梗塞を実現する血栓とその脳梗塞領域については、脳透明化やMRIによる撮像を用いて評価を行った。また、二光子励起顕微鏡を用いてアストロサイトの活動を可視化し、生理的な条件下での長時間撮影に成功している。これらの技術を用いることで、脳梗塞後のアストロサイトの活動を詳細に捉えることができる。続いて、アストロサイトによる神経細胞への作用を解明するため、グリオトランスミッターとして働くATPの蛍光イメージングにも取り組んだ。ATPを特異的に検出する蛍光インジケータを脳内に導入することで、細胞外ATP濃度の時空間ダイナミクスを検出することが可能である。このイメージング技術を脳梗塞後の炎症過程へ応用し、アストロサイトの神経細胞への作用を解明し、脳梗塞後の炎症過程の解明につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の申請計画に基づき、脳梗塞モデルの作製と評価を進めた。また、アストロサイトの活動動態可視化も実現している。さらに、アストロサイトから放出されるシグナル分子であり、神経細胞に作用する細胞外ATPの蛍光イメージングにも取り組んでおり、申請計画以上に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の申請計画に基づき、脳梗塞モデルマウスにおいて、アストロサイトの活動動態と神経細胞への作用の可視化解析を行う。アストロサイトの活動動態は、すでに実現したアストロサイトの細胞内カルシウムイメージングを用いて行う。また、アストロサイトの神経細胞への作用については、アストロサイトと神経細胞の活動イメージングに加え、細胞外ATPイメージングにより行う。
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Causes of Carryover |
細胞外ATPイメージングが予定より順調に進捗したため、ATPイメージング実験を一部先倒しして行ったことにより、種々のトランスジェニックマウスの実験を一部次年度へ先送りにしたことにより、マウスの飼育に関わる予算の一部に変更が生じたため。
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[Journal Article] A three-dimensional single-cell-resolution whole-brain atlas using CUBIC-X expansion microscopy and tissue clearing2018
Author(s)
Tatsuya C. Murakami, Tomoyuki Mano, Shu Saikawa, Shuhei A. Horiguchi, Daichi Shigeta, Kousuke Baba, Hiroshi Sekiya, Yoshihiro Shimizu, Kenji F. Tanaka, Hiroshi Kiyonari, Masamitsu Iino, Hideki Mochizuki, Kazuki Tainaka & Hiroki R. Ueda
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Journal Title
Nature Neuroscience
Volume: 21(4)
Pages: 625-637
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chemical Landscape for Tissue Clearing Based on Hydrophilic Reagents2018
Author(s)
Tainaka K, Murakami TC, Susaki EA, Shimizu C, Saito R, Takahashi K, Hayashi-Takagi A, Sekiya H, Arima Y, Nojima S, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Murakami M, Tanaka KF, Iino M, Kasai H, Sasaoka T, Kobayashi K, Miyazono K, Morii E, Isa T, Fukayama M, Kakita A & Ueda HR.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 24(8)
Pages: 2196-2210
DOI
Peer Reviewed