2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化マウスモデルを用いたEBV関連リンパ増殖症の病態解析と新たな標的治療の評価
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18K15165
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 崇広 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10624398)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウイルス / 遺伝子 / EBV |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療や移植医療では、強い免疫抑制に伴ってウイルス関連合併症が相次いで現れることがある。Epstein-Barrウイルス(EBV)はその代表的なウイルスであり移植後リンパ増殖性疾患を初めとする免疫不全関連リンパ増殖性疾患の発症の原因となる。DNA複製機構をターゲットとした既存の抗ヘルペスウイルス薬はEBV感染症に対する有効性が示されていない。さらに、これらの抗ウイルス薬は骨髄抑制を誘発するため、免疫不全下では投与が困難である。そのため新たな作用機序を有する新規治療薬の開発が望まれている。我々はウイルス粒子形成に必要な後期遺伝子の発現制御因子Viral Pre-initiation complex (vPIC)が、ウイルス増殖を抑える分子標的となり得ることを報告してきた。しかし後期遺伝子の発現制御機構をターゲットとした治療薬が、in vivoレベルで有用かどうかは明らかでない。本研究ではEBV関連リンパ増殖症の発症モデルマウスを用いて、vPICがin vivoのリンパ増殖症の発生・進展における治療標的となりうるか評価を行うことである。本年度は、初年度決定した薬剤投与量、投与経路などに基づいて、本実験を実施した。EBV関連リンパ増殖性疾患発症マウスモデルにCDK阻害剤を投与すると、リンパ増殖性疾患の病態が改善し、生存期間が延長したことから後期遺伝子の発現がEBV関連リンパ増殖性疾患の発症に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後期遺伝子の発現が、リンパ増殖性疾患の病態形成に寄与するかどうかや、CDK阻害剤がEBV関連リンパ増殖症の治療薬として有効かどうかを検証するために、EBV関連リンパ増殖症発症モデルマウスを用いたin vivoでの実験を行った。昨年度に決定したリンパ増殖性疾患発症マウスモデルでの予備検討の結果に基づいて、本年度は本実験を実施することができた。本結果は英文雑誌で報告し、研究は順調に進展していると考えている(Watanabe, Sato et al., Cancer Science 2020)。
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Strategy for Future Research Activity |
CDK阻害剤のターゲット遺伝子に変異を導入した遺伝子組換えウイルスを用いて、in vitro機能解析および免疫不全マウスを用いたin vivo機能解析を実行し、後期遺伝子の発現がEBV関連リンパ増殖症の病態にどのように関与しているかさらなる検証を行う。
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Research Products
(2 results)