2019 Fiscal Year Research-status Report
視神経脊髄炎関連疾患の病態機序へのエクソソームの関与
Project/Area Number |
18K15443
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐治 越爾 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00706418)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 視神経脊髄炎 / エクソソーム / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系自己免疫疾患の代表的疾患である視神経脊髄炎関連疾患 (neuromyelitis optica spectrum disorders; NMOSD)では、アストロサイトに発現するアクアポリン4水チャネルを標的とする自己抗体がアストロサイト障害を誘導し、視神経炎や脊髄炎などの中枢神経症状を引き起こすと想定されている。一方、動物モデルでは血中の自己抗体のみで神経症状を再現することが困難であり,自己抗体以外の何らかの免疫因子の存在が必要と考えられている。近年、細胞外小胞の一つであるエクソソームの細胞間情報伝達ツールとして役割が注目されている。本研究では、1) NMOSDの発症病態にエクソソーム分画成分が関与するのか、2) NMOSDの疾患活動性を反映するエクソソーム内構造物は何であるのかを明らかにすることを目的とする。 本年度は、検体の収集を継続的に行い,エクソソーム回収を進めている。また,NMOSD症例の過去28年間の長期にわたる臨床的特徴の変化について解析した.2010年以降の最近の発症例において,年間再発回数は低下し,後遺障害も低下いることを明らかにした.初発後の早期診断および再発予防薬の導入により,初回発作のみで再発のない症例の割合が有意に増加していたが,その一方で現行の治療に対するノンレスポンダーが一定数存在している.今後,健常者群とNMOSD患者群との違いおよびNMOSD臨床病型や治療反応性の違いにエクソソームのプロファイルが関与しているか明らかにしていく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体は継続的に収集できているが,エクソソームの回収に遅れが生じており, RNAシーケンス解析に至っていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きエクソソーム回収効率の向上をすすめ,RNAシーケンスを用いたトランスクリプト―ム解析により,疾患特異的な分子および疾患活動性を反映するバイオマーカーを明らかにしていく.
|
Causes of Carryover |
エクソソームの回収に遅れが生じており, RNAシーケンス解析に至っていない.このために次年度, 使用額を生じた. RNAシーケンスの効率性を考慮し、十分なサンプル数を収集した段階で一括して解析を行う予定である.
|