2019 Fiscal Year Research-status Report
社会性の障害の分子・神経・感覚要因を一元的に解明:ASDとADHDの超診断的評価
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18K15493
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
青木 悠太 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (70815810)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ADHD / MRI / 脳画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
第二年度は、新規データ取得(スキャン・心理指標取得)・データ解析・ディスカッション・論文化を平行して行ってきた。まず、新規データ取得に関しては、研究全体で予定している数に概ね到達しつつある。初年度末の時点で、第二年度では全体予定数の8割程度をデータ取得目標としていたことを踏まえると目標よりも数的にやや前進していると言える。また、質的にも取得する心理指標の種類を増やし、データリッチとした。また、遺伝的要因に間接的にアプローチするために家族内集積についても研究対象に加えた。それらを含めた取得済みのデータ総数は、研究計画全体のデータ取得目標総数を大きく上回っている。データ解析は、予備的解析を含め順次、多面的に行っている。これらの結果の一部はカナダ・モントリオールで開かれたInternational Society for Autism Researchで口演の対象に選ばれ、イタリア・ローマで開かれたOrganization of Human Brain Mappingでもポスター発表を行った。また、論文化したデータに関してはPsychiatry and Clinical Neurosciences誌に受理され、editor's choiceに選ばれる名誉を得た。また、これらの国際学会への出席および発表の機会のおかげで、ドイツ・米国・英国の研究者らとデータの解析方法や論文執筆に関してディスカッションすることができた。現場では概要のプレゼンテーションを行い、帰国後にインターネット上でのメール・会議を通して議論を深めた。依然として論文は受理されていないが、投稿までは作業を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度末には、第二年度末の時点で研究計画全体の8割ほどのスキャンを目指していた。実際にはスキャン数及び心理指標取得数を伸ばすことができ、研究計画全体のスキャン目標数に到達しつつある。また、一部のデータは既に英文査読雑誌に受理されていることも昨年にはなかった前進である。第二年度は、国際学会での発表を重ね、外国研究者とのディスカッションを行った。結果、受理には至っていないものの複数の国際共同的学術論文を投稿することができた。このことは、潜在的な前進と考えている。これらを踏まえると研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には解析・論文化に注力する。また、研究結果は、論文化のみならず、アウトリーチを通して社会に還元し、研究費及び被験者の皆様の貢献の効果を最大化するよう努める。
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Causes of Carryover |
論文化されたのちのオープンアクセス料金などを見込んでいたが、その機会がなかったため「その他」に分類される支出が少なかった。 次年度はオープンアクセスをはじめとしたアウトリーチにかかる費用が今年度よりも多く発生すると考えている。 また、被験者・研究協力者謝金を別な研究費で支払うことができたことも今年度の支出が予定よりも少なかった理由である。
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Research Products
(8 results)