2020 Fiscal Year Annual Research Report
Basic electrodermal activity in patients with epilepsy
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18K15505
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀之内 徹 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80796029)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | てんかん / バイオフィードバック / 皮膚電気活動 / electrodermal activity / biofeedback / galvanic skin response / 不安 / anxiety |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性てんかんの治療法の一つに、皮膚電気活動(electrodermal activity: EDA)を用いたバイオフィードバック療法が存在する。これは、EDAを末梢交感神経機能の指標とし、バイオフィードバックによってEDAを亢進させることでてんかん発作抑制を目指す方法であり、他の治療法と同等の治療効果を持つとされる。しかしながら、その基盤となるてんかん患者のEDAに関する報告はなく、これらがどのような性質を持つのかは不明である。今回我々は、てんかん患者の安静時EDAを測定し、健常群と比較した。 てんかん群22名と健常群24名の安静時EDAは、全10分間の平均において明らかな差を認めなかった。ただし測定開始後1分間において、てんかん群のEDAは健常群より低い傾向を認めた(P=0.12)。てんかん群から発作抑制者4名を除く18名で健常群と比較した場合は、有意にEDAが低かった(P=0.036)。また、てんかん群においては、発作頻度がEDAと有意に逆相関した(ρ=-0.50, P=0.016)。一方、罹病期間や薬剤数はEDAと相関しなかった。 てんかん群ではEDAが低く、また発作頻度が多いほどEDAが低下していた。これは、てんかん患者における交感神経機能低下を示していると考えられる。その機序としては、繰り返す発作が、交感神経機能を担う辺縁系-視床下部に機能不全を引き起している可能性がある。 2020年度には、すでに取得してあったEDA、不安に関する尺度(State and Trait Anxiety Inventory)、その他のdemographic dataの内容を勘案し、不安に関する尺度について考察を深めた。不安の中でも特性不安が、てんかんの罹病期間と相関するという結果があり、特にその点について文献的考察を加えつつ、論文投稿準備を行っている。
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