2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of tumor immunity and radiotherapy using liquid biopsy
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18K15555
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
土屋 高旭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90631169)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 放射線治療 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、腫瘍免疫機構が解明されつつあり、臨床においても免疫チェックポイント阻害薬が承認され効果が認められている。しかし、放射線治療と腫瘍免疫機構の関連については未解明の部分が多い。我々のグループではこれまで各種のがんにおいて、DNA損傷修復タンパク発現と放射線治療成績が相関することを報告してきた。そこで、本研究ではこれらの成果を発展させ、腫瘍免疫関連タンパクの発現と放射線治療成績の相関を解明し、臨床応用に結びつけることを目的とした。 本研究では子宮頸癌患者において、放射線治療によって引き起こされる腫瘍免疫関連タンパク発現の変化を評価し、またそれらのタンパクと予後の関連を検討した。 方法として、子宮頸癌に対して術前放射線治療が行われた104例を対象に放射線治療前の生検検体と放射線治療後の手術検体を用いて、腫瘍免疫関連タンパクを免疫組織染色にて評価をおこおなった。 結果は、放射線治療後の検体では腫瘍細胞に発現するPD-L1(Programmed Death - Ligand 1)は放射線治療前と比較して有意な増加を認めた。一方でCD8やFoxP3(Forkhead box P3)陽性T細胞は減少を認めた。また予後との相関については、放射線治療前検体におけるCD8やFoxP3陽性T細胞発現が強い症例では有意に予後良好であった。さらに放射線治療後の検体で腫瘍細胞のPD-L1発現が強い症例では有意に予後良好であった。 以上の結果より、放射線治療により腫瘍における免疫学的な変化が引き起こされていること、またこれらの変化が放射線治療の結果に影響を与えていることが解明された。 この結果はStrahlentherapie und Onkologie誌に投稿し受理・掲載された。
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Research Products
(8 results)