2018 Fiscal Year Research-status Report
分子イメージングとモンテカルロ計算を用いた211At標識化合物の組織吸収線量評価
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18K15556
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
右近 直之 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70792985)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核医学 / α線治療 / 分子イメージング / モンテカルロシミュレーション / 医学物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
α核種によるRI内用療法においては、投与量に応じた組織吸収線量の推定による治療効果や副作用の予測が重要である。211Atから放出されるα線は可視化できないため、放射性ヨウ素(123I, 124I)をサロゲートとして動物用イメージング装置を用いて担癌モデルにおける211At標識化合物の体内動態を正確に評価する方法を確立する。PETやSPECTなどの分子イメージングは高精度な定量法であるため、123Iはガンマカメラで、124IはPETで定量測定し、画像を解析して簡便かつ汎用性の高い放射性ヨウ素による211Atの体内動態評価を行う。さらに、その画像から得られた組織や細胞の集積率及び体内動態を参照したモンテカルロシミュレーションによる吸収線量予測を行うことで、211At標識化合物を投与する前に治療効果や副作用を推定する根拠となる組織吸収線量評価法を開発する。 本年度は、まず211Atによるイメージングの基礎検討として、PET/SPECT/CT装置の性能評価に用いられる均一ファントム、Derenzoファントムなどによる実験でSPECT及びPlanar画像を撮像し、各画像の定量性及び正確性の検討を行った。また、211Atの体内分布を推定するためのサロゲートとして放射性ヨウ素(123I)との定量性の比較を行った。さらに、動物実験を行い211At標識化合物の正常組織の集積(%ID/g)を放射性ヨウ素標識化合物と比較した。放射性ヨウ素標識化合物の体内分布をSPECT/CT及びPlanar撮像で画像化し解析を行っている。 これらの結果は、学会発表を行うとともに論文化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画書に則り、平成30年度に予定していた、ファントム実験による画像データを順調に収集し解析を行った。さらに予定よりも早く動物実験に着手することができている。 このように当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた画像データおよび生体内分布のデータからモンテカルロシミュレーション体系を構築する。 平成31年度もさらにファントム実験、動物実験を進めデータの蓄積を行いより詳細な組織吸収線量評価法の開発を進める。
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Causes of Carryover |
ファントム実験及び動物実験を進めることによりデータの蓄積を優先させたため、モンテカルロシミュレーションに必要なワークステーションの購入を翌年度とすることにしたため。
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Research Products
(5 results)