2022 Fiscal Year Annual Research Report
Myelin Imaging for Visualization and Clinical Application to Diagnosis of Demyelinating Disorders
Project/Area Number |
18K15643
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
前川 朋子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (30813448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Synthetic MRI / ミエリン / 髄鞘 / 多発性硬化症 / 脱髄疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、Oscillating-gradient spin-echo (OGSE)法による短い拡散時間で撮像した拡散テンソル画像で、多発性硬化症の脱髄プラークの内部構造が推定できないか検討した。急性プラークを有する多発性硬化症患者3名、慢性プラークを有する多発性硬化症患者8名、健常コントロール11名を拡散時間35.2ms、6.5msを設定して解析したところ、慢性プラークは正常白質よりも拡散時間依存性が弱かった。この拡散時間依存性の違いは、慢性プラークは清浄白質に比べて内部構造が疎であるという内部構造の違いに起因するものと考えられた。本研究結果から、拡散時間の短い拡散強調像は多発性硬化症プラークの微細構造に関する新たな情報を提供する可能性が示唆された。本研究結果について、第50回日本磁気共鳴医学会大会にて電子ポスターによる発表を行った。また、第32回国際磁気共鳴医学会大会にて電子ポスターによる発表を行う予定である。研究期間全体を通じて主に以下のような研究成果が得られた。 ・脱髄プラークではミエリンの方が軸索よりも慢性的な障害が強いことが示唆され、Synthetic MRI (SyMRI)とNeurite orientation dispersion and density imaging (NODDI)はプラークの経時的な定量評価に役立つ可能性を見出した。 ・SyMRIで得られるmyelin volume fraction (SyMRIMVF)は、多発性硬化症患者のミエリン評価に適している可能性を見出した。 ・SyMRIによる脳組織容量とミエリン量の推定において造影剤の影響により見かけ上セグメンテーションされた脳組織容量が変化し、ミエリンは増加して計測されることを見出した。 これらの研究成果から、SyMRIは非侵襲的な生体内のミエリン量評価に有用な手法であることが示された。
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Research Products
(2 results)