2020 Fiscal Year Research-status Report
B型肝炎での血清エクソソーム中マイクロRNAを用いた新規肝発癌予測マーカーの開発
Project/Area Number |
18K15792
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小塚 立蔵 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10726657)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | B型肝炎 / エクソソーム / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
3年度目はHLA-DQA1/DRB1-SNPと肝発癌、HLA-DQA1/DRB1-SNP とmiRNAの関係性について検討した。B型慢性肝疾患193例のうち、DNAを採取できたのは、150例(78%)であった。その内訳は、NA投与103例のうち86例(発癌群11例、非発癌群75例)、NA非投与90例のうち64例(発癌群33例、非発癌群31例)であった。 NA投与例において、発癌群と非発癌群におけるHLA-DQA1/DRB1 AA genotypeの割合を検討したところ、発癌群ではAA genotypeの割合は46%であり、非発癌群の20%と比べて高い傾向を示した(p=0.074)。 NA非投与例において、発癌群と非発癌群におけるHLA-DQA1/DRB1 AA genotypeの割合を検討したところ、発癌群ではAA genotypeの割合は42%であり、非発癌群の13%と比べて有意に高かった(p=0.0086)。 2年度目にNA非投与例において22種類のmiRNA発現パターンを組み合わせると肝発癌が予測できることを示した。また、この22種類のmiRNAのうち、肝線維化進展に伴って変化するmiRNAと共通するものは、miR-3648、miR-3665、miR-122-5p、miR-3960、miR-4739であった。この5つのmiRNAは肝発癌および肝線維化進展と共通するmiRNAであるため、HLA-DQA1/DRB1-SNPとの相関性について検討した。AA genotypeと関係性については、miR-3648(p=0.72)、miR-3665(p=0.17)、miR-122-5p(p=0.32)、miR-3960(p=0.22)、miR-4739(p=0.62)のいずれのmiRNAにおいても有意な相関は認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、HLA-DQA1/DRB1-SNPと肝発癌、HLA-DQA1/DRB1-SNP とmiRNAの関係性について検討した。NA投与例とNA非投与例のいずれにおいても、HLA-DQA1/DRB1 AA genotypeと肝発癌の相関性を認めた。一方、肝発癌および肝線維化進展で共通する5つのmiRNAとHLA-DQA1/DRB1 AA genotypeの関係性を検討したが、いずれのmiRNAでも相関性は認めなかった。 当初の計画は順調に進展していると考えられるが、マイクロアレイ発現解析のvalidationが必要であり、NA非投与例の検体を用いてリアルタイムPCRとの相関性を検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
追加解析として、NA非投与例で肝発癌の予測に用いた22種類のmiRNAで、マイクロアレイ発現解析とリアルタイムPCRにおけるmiRNAの発現の相関性について検討する。
|
Causes of Carryover |
miRNAマイクロアレイとリアルタイムPCRにおけるmiRNAの発現の相関性について検討することを予定していたが計画の進捗が遅延したため、次年度に同計画を行うため、次年度使用額が生じた。次年度は当基金を用いて相関性について検討する予定である。 また、論文作成中であり、英文校正などに当基金を用いる予定であったが、論文作成の進捗が遅延したため、次年度使用額が生じた。次年度は英文校正など論文作成にかかる経費に当基金を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)