2019 Fiscal Year Research-status Report
膵がん患者の腸内細菌叢の解明と治療応用への基盤的研究
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18K15800
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
柴 知史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (00797003)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / メタゲノム / メタボローム / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究成果(Thomas AM, Shiba S, et al. Nat Med 2019, Wirbel J, Shiba S, et al. Nat Med. 2019. Yachida S, Shiba S, et al. Nat Med 2019)を踏まえ、2019年度も同様に、国立がん研究センター中央病院において収集した便サンプルを、メタゲノム解析及びメタボローム解析を用いて、腸内細菌叢並びに代謝産物を同定した。当該サンプルの臨床情報をもとに、個々の疾患に特徴的な腸内環境を解明する研究を継続して行った。 2019年度は、胃切除後の患者さんを対象とし、胃切除後患者の腸内環境と健常者の腸内環境を比較検討を行い、胃切除後に変化する腸内細菌叢及び代謝産物を同定した。本研究によって、胃切除による腸内環境の変化、並びにその影響が明らかとなり、国際的な医学雑誌へ研究成果を報告した(Erawijantari PP, Shiba S, et al. Gut. 2020)。 これまでの研究成果を基盤として、2020年度は先進ゲノム支援に採択され、より一層研究の進展に向けて準備を整え、実行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進める過程で、個々の研究者が必要に応じた連携が円滑に行われている。 定期的に行うミーティングにおいて、情報を共有し、新たなアイディアが出れば、実現に向けて準備して結果を報告する、一連の流れが概ね実行できていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、2020年度は先進ゲノム支援へ応募したところ採択された。本研究をさらに推進する準備に取り掛かっている。 また、本研究が係わる臨床研究の付随研究が始まり、前向きにデータを収集することで、臨床応用へ向けて研究の発展を目指す。
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Causes of Carryover |
対象の患者に必要な便サンプルを選定し、徐々にDNAの抽出を開始始めている。数十サンプルを纏めてDNA抽出、シーケンス解析を行うことで、費用を抑え、解析サンプル数を増やせることが、これまでの準備、並びに実験的な研究期間で判明した。従って、後半のデータ解析期間に、本研究の助成金を纏めて解析費用に充てることによって、費用対効果を最大限にすることが可能となるため、次年度に持ち越すこととしている。
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Research Products
(4 results)