2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the annual change of biomarkers in severe asthmatics.
Project/Area Number |
18K15939
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 孔一 北海道大学, 大学病院, 医員 (90789330)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 難治性喘息 / バイオマーカー / 増悪 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道難治性コホート研究は、実臨床を反映するために喫煙者(約60%)を含めたコホート研究である。本コホート研究では、呼吸器科専門医により喘息と診断され、ガイドラインに沿った適切な診療が行われている患者を対象としている。2018年10月で6年間の前向き調査が終了している。 3年間の増悪調査を基にした解析結果は、Clin Exp Allergy誌に報告している(Kimura H, et al. Clin Exp Allergy 2018)。この報告では、毎年2回以上増悪する頻回増悪群、一度も増悪のない増悪なし群、それ以外の中間群に分類して解析を行った。1年目に頻回増悪であると、2年目にも頻回増悪であることが示された。また、最初の2年間がともに頻回増悪であることは、3年目も頻回増悪であることの有意な関連因子であった。頻回増悪群では、末梢血好酸球数と呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)が高値であったが、血清ペリオスチンや呼吸機能検査の結果には差がみられなかった。また、1年後のVisitを基準として、前向き2年間で同様の解析を行ったところ、頻回増悪群においてFeNOが高値であった。これは、後ろ向き1年間の増悪状況と独立した関連因子として同定された。これらのことから、重症喘息における増悪については、気流閉塞やリモデリングよりも、現在のType2気道炎症の存在が重要である可能性が示唆され、特にFeNO測定が有用であると考えられた。 日常臨床で利用可能なType2マーカーのうち、末梢血好酸球数、FeNO、アトピー素因に注目し、その陽性数と増悪状況についての検討を行っている。研究成果については、すでに学会発表を行っており、また現在論文作成中である。
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