2020 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞サブセットによるGVHD制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
18K16096
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
福田 有里 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (40770847)
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Project Period (FY) |
2019-02-01 – 2021-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / ケモカイン受容体 / 自己炎症性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
樹状細胞やマクロファージは様々なサブセットから構成され、それらのサブセットは各々の機能的特性を介して免疫応答に関与している。1型通常樹状細胞(cDC1)は、ヒト、マウスいずれにおいても、ケモカイン受容体XCR1を特異的に発現し、感染症やがんに対する防御免疫に重要な役割を果たす樹状細胞サブセットである。XCR1のリガンドであるケモカインXCL1と抗原ペプチド(卵白アルブミン由来のペプチドOT-I)の融合タンパク(XCL1-OT-I)の投与により、cDC1に効率よく抗原を送達できること、そしてこの機構を基盤としてXCL1-OT-Iがメラノーマ腫瘍細胞株に対して抗がん効果を示すことを確認した。また、ゴルジ体から小胞体へのタンパク質輸送を担うタンパク質複合体COPIを構成するサブユニットCoatomer subunit α(COPA)のアミノ酸置換をきたすヘテロ変異により、COPA症候群と呼ばれる自己炎症性疾患が発症するが、COPA症候群様の臨床症状を示す患者から見出された新規のCOPA変異(X変異とする)を導入したマウスにおいて樹状細胞の解析を行った。COPA Xヘテロ変異マウスの骨髄由来樹状細胞において、細胞質内DNAセンサーSTINGによるI型インターフェロン(IFN)産生誘導が亢進していた。また、STING刺激時に誘導されるSTINGのリン酸化、STING下流のキナーゼTBK1のリン酸化も亢進していた。一方、細胞質内RNAセンサーRIG-I様受容体、エンドソーム内核酸センサーToll様受容体(TLR7、TLR9)によるI型IFN産生誘導を検討したが、いずれも低下していた。
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Research Products
(4 results)