2018 Fiscal Year Research-status Report
Role of bone marrow microenvironment for erythropoiesis
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18K16107
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂本 竜弘 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (60815398)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 造血微小環境 / 赤血球造血 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 本年度、Nestin-GFPマウスを用いてNestinを発現する微小環境細胞をフローサイトメトリーを用いて分取し、培養した。その結果、Nestin陽性細胞はbFGF存在下においてCFU-Fibroblast (CFU-F) colonyを形成することがわかり、間葉系微小環境構成細胞であることが示され、Nestin陽性微小環境構成細胞の起源が間葉系細胞であることが解明された。またRbpjをNestin発現細胞で特異的に欠失させるRbpjコンディショナルノックアウトマウスにおいてもNestin陽性細胞のCFU-F形成能は障害されておらず、RbpjはNestin陽性細胞の生存・コロニー形成能・分化に必須ではないと推測された。 2) Rbpjコンディショナルノックアウトマウス、野生型マウスそれぞれより採取したマクロファージと同様に採取したTer119陽性赤芽球を用いて、赤芽球等の再構築能を評価した。その結果Rbpjコンディショナルノックアウトマウスより採取したマクロファージと野生型マウスより採取したTer119陽性赤芽球を混合した場合、赤芽球島の再構成が障害された。逆にRbpjコンディショナルノックアウトマウスより採取した赤芽球においては、赤芽球島の再構成能は障害されておらず、野生型マウスの赤芽球と同等であった。この結果からRbpjコンディショナルノックアウトマウスにおいてマクロファージの赤芽球島構成能が障害されており、これが赤芽球の分化障害に関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nestin陽性微小環境構成細胞の細胞起源を示すことができ、間葉系細胞に属することが推測されたこと。 また、Rbpjコンディショナルノックアウトマウスで既に観察されていた赤芽球の分化障害のメカニズムとして、マクロファージの機能障害がこの原因であることが推測されるデータを得ることができたため、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの結果及び本年度の結果に基づいて論文を投稿中であり、さらなるメカニズム解明に挑みたいと考えている。具体的にはマクロファージ及びNestin陽性細胞の遺伝子解析に基づいて、遺伝子発現からメカニズムを解明し、赤芽球分化障害を回復させる薬剤や遺伝子改変マウスの作成を行いたい。マクロファージが炎症に関与する細胞であることより、炎症性サイトカイン等を用いた実験、阻害薬・抗体を用いた実験を計画中である。
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