2023 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of the organ-specific subsets of MDSCs and its application to novel treatment using arthritis model mice
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18K16148
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千藤 荘 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (40813415)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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Keywords | MDSC / SKGマウス / 関節炎 / 間質性肺炎 / 組織特異的 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究計画としては、①SKGマウスの各組織由来MDSCの表現型・機能に差異があるか(組織特異的MDSCサブセット)の解明に加え、②肺由来MDSCの特異性の有無についての探索、③MDSCの増殖や機能に影響を与える薬剤の探索を挙げていた。①については、関節由来MDSCが破骨細胞分化能を持ち、in vitro、in vivo共に骨破壊に関与していることを証明し学術誌に掲載された(Front Immunol. 2024; 15: 1168323.)。②については、マイクロアレイの結果から間質性肺炎モデルマウスの肺由来MDSCは骨髄や脾臓由来MDSCと比較しある種のケモカイン発現が高いことが判明し、それらに対応するケモカインレセプターの発現が肺内のCD8陽性T細胞、樹状細胞、マクロファージで高いことを見出した。現在、そのレセプターを阻害する薬剤を用いて、間質性肺炎に対する効果を確認中である。③については、現在関節リウマチに用いられている5種類のJAK阻害剤間でMDSCの増殖や機能に与える影響が異なるか解析中である。また、in vitroでタンパク質翻訳後修飾を制御する薬剤が、MDSCへの分化ではなく、他の抑制性骨髄球系細胞への分化を促す可能性があることを見つけている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節由来MDSCの特異性については学術誌掲載まで進んだ。肺由来MDSCの特異性については、現在、in vitroおよびin vivoで実験中である。また、薬剤がMDSCに与える影響についても実験中であり、全体としておおよそ研究計画通りに進んでいるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究計画としては、引き続き、①肺由来MDSCの特異性の有無についてと治療ターゲットの探索、②MDSCの増殖や機能に影響を与える薬剤の探索を挙げている。①については、マイクロアレイで得られた肺由来MDSCに特異的な分子(ケモカインなど)について、フローサイトメトリー、ウエスタンブロットなどでその特徴を確認する。さらに、注目しているケモカインに対するレセプターを阻害する薬剤を用いて、間質性肺炎に対する効果を確認する予定である。②については、5種類のJAK阻害剤間でMDSCに与える影響が異なるか、JAK阻害剤とは異なる機序の薬剤(タンパク質翻訳後修飾を制御する薬剤など)がMDSCの増殖・分化や機能に与える影響とその機序について解析する。 これらの解析により、関節炎または炎症肺に対するMDSCや他の抑制性骨髄球系細胞を介した治療法への応用が期待される。
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Causes of Carryover |
2023年度は、SKGマウスの関節炎モデルおよび間質性肺炎モデルを誘導し解析を行った。また、特定のケモカインレセプター阻害剤が間質性肺炎を抑制するかも実験を行ったが、予定よりも費用が少なく済んだため次年度へ繰り越すこととなった。2024年度は繰越金を用いて、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット、低分子化合物によるin vitroとin vivoの実験を行うために助成金を用いる予定である。
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