2020 Fiscal Year Annual Research Report
RNF5, a molecule that induces autophagy, and chemotherapy resistance in breast cancer
Project/Area Number |
18K16284
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
波戸 ゆかり 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20721864)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌には、化学療法に抵抗を示す予後不良なものが存在し、その治療成績の向上が喫緊の課題となっている。最近、乳癌の増殖に、タンパク分解酵素であるユビキチンリガーゼのひとつRNF5が関与していることが報告された。私たちは小数例を対象とした予備実験において、乳癌組織における RNF5遺伝子の発現低下と、乳癌の予後不良に関連があることがわかった。これらの知見を踏まえ、RNF5が、「化学療法による“小胞体ストレス”下では、オートファジーを誘導し、乳癌の増殖を抑制する」ことに着目し、RNF5の発現を亢進させることにより、乳癌に対する化学療法抵抗性を克服できないかと考え本研究を計画した。予備実験結果を検証するために当施設で長期フォローアップ(観察期間中央値10.2年)を行った乳癌625例を用いて、RNF5遺伝子の mRNA発現と臨床病理学的因子および予後との検討を行った。RNF5 mRNA発現低下は、高グレード、エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容性陰性、HER2陽性と正の相関を認めた。しかし、RNF5 mRNA発現と予後との関連については、RNF5 mRNA発現低下症例では、無病生存期間、全生存期間とも予後不良の傾向を認めたものの、有意差は認めなかった。
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