2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16449
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本山 泰士 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (10744500)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ケタミン / 慢性痛 / 脳機能的結合 / MRI / functional connectivity |
Outline of Annual Research Achievements |
近年functional MRI(fMRI)でヒト、動物の中枢神経活動に関連した血流動態反応を評価する研究がすすめられており、健常人と比較して慢性痛患者やうつ病患者などで、脳機能的結合が変化している事が報告されている。また近年ケタミンの即効性・持続性の抗うつが世界的に注目されている。さらにケタミンはうつ病患者の臨床症状を改善させ、かつ脳機能的結合の変化を急速に正常化させる事が報告されている。 本研究では、「ケタミンが痛みなどの慢性ストレスに伴ううつ症状を改善させかつその変化した脳機能的結合を正常化させる」と仮定し、慢性痛患者へケタミンを投与してその前後で痛みやうつ等の臨床症状変化を観察するとともに、fMRIを撮像しその変化を明らかにする。 ケタミンは以前から痛みの治療に用いられているが、慢性痛患者におけるケタミンの脳機能的結合への影響の報告はまだ無く、本研究はその初期の知見になりうる。 平成30年度はこれまでに当院で撮像したrs-fMRIデータを用いてケタミンによる治療前の脳機能的結合とケタミンによる治療効果がどのように関係しているかの検討を行った。 当院で過去にケタミン治療を行った、NRSによる治療前の痛みの評価が3以上となっている、痛みの期間が少なくとも3か月以上ある慢性痛患者で、治療前のrs-fMRIデータを取得している患者を対象にして、matlab,SPM,CONN toll boxを用いて、治療前の脳機能的結合に関してケタミンによる治療が有効であった群とそうでなかった群との比較検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は新規のデータを取得していく予定であったが、過去のデータからの検討も可能であることがわかり、そちらのデータを用いる事で、解析に必要なある程度のサンプル数を確保できたことにより、統計解析も行えまずまずおおむね順調に進行していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
得られたデータにより国内海外を問わず、学会発表や論文投稿によりこの研究の成果を発信していく予定である。rs-fMRIデータは、データが画像ベースであるため比較的解析に時間や解析機材の性能が必要である。今後も研究機材を強化するなどの方針をとっていく予定である。
|
Causes of Carryover |
当初は新規データの取得により研究を行っていく方針であったが、過去のデータの後ろ向きの解析による検討も可能な事がわかり、まずはそちらによる検討を行っている。rs-fMRIデータは画像ベースであり比較的解析や保存に機材の能力を必要とする。解析機材の強化などに用いていく計画を立てている。
|