2019 Fiscal Year Research-status Report
神経組織特異的に蛍光タンパク発現マウスを用いたがん性疼痛の発生メカニズムの研究
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18K16500
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中尾 謙太 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50815719)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん性疼痛 / 神経栄養因子 / thy1-YFPマウス / 蛍光タンパク / 坐骨神経切断モデル / 骨転移がんモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は神経組織特異的に蛍光タンパクを発現するthy1-YFPマウスでがんの骨転移モデルを作製し、がん組織に分布する神経線維の発芽と神経腫の形成における神経栄養因子の関与、MMP-9をはじめとする遺伝子のがん組織、後根神経節と脊髄における発現、さらにがん性疼痛の発症メカニズムを明らかにすることを目的とする。 我々は、がん骨転移モデルにおいて、腫瘍接種3日目に処置側脛骨で腫瘍接種7日目に脊髄後角でMMP-9の上昇が見られ、MMP-9阻害薬の腹腔内、髄腔内投与で疼痛軽減を認め、がん性疼痛の発症メカニズムにおいて、MMP-9が関与していることを明らかにした(Nakao K et al.Evid Based Complement Alternat Med.2019.)。現在、がん性痛におけるMMP-9の役割を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
がん性疼痛モデルマウスの寿命が短く、神経再生より先に寿命がきてしまい、痛みの行動評価を正確に行えなかった。また、新型コロナウイルスの影響で薬品や物品が手に入りにくい状況や、実験室が使えない状況があった。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究者の協力を得て,研究が速やかに行えるように遂行していく。 当初計画していた行動学的評価は動的体重負荷測定装置(DWB)であるが、 i) 筆を用いたアロディニアの反応, ⅱ) Planter test, ⅲ) von Frey testなども施 行する。
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Causes of Carryover |
実験動物や消耗品の購入に計画していたほどの費用を要する必要がなかった。 次年度使用額は、研究成果論文作成費用および追加実験の費用に充てる予定である。
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