2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanisms and development of novel therapeutic strategies of anaphylaxis focused on basophil activation
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18K16540
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山賀 聡之 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30526223)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アナフィラキシー / 好塩基球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,アナフィラキシーにおける好塩基球活性化に着眼した分子学的観点からアナフィラキシーの病態を解明すること,アナフィラキシーの新規治療法確立の基礎的検討を行うことが目的である.令和2年度は,引き続きアナフィラキシー患者の末梢血を採血し,フローサイトメトリーを用いたCD203cの発現強度から好塩基球数・活性化の評価,および血球内のヒスタミン値の測定を行い,これまでと同様に好塩基球数減少と血球内ヒスタミン値の低下を確認した.また,院外発症のアナフィラキシーにおける重症化因子を検討するため,広島市消防局の検証データに基づいた後方視的コホート研究を行った.5年間の全624症例を検討したところ,アナフィラキシーの重症な症状である低酸素血症,血圧低下は,昆虫刺傷においてそれ以外の原因(食物,薬剤)と比較し有意に多く,入院率も昆虫刺傷で有意に高いことが分かった.多変量解析による調整後も結果は同様であり,院外発症アナフィラキシーの原因において昆虫刺傷は重症化のリスク因子であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は,アナフィラキシー既往のある患者の末梢血(非アナフィラキシー時)を用いた,好塩基球活性化制御の検討を行う予定であったが,実施に至らなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
アナフィラキシーで当院に入院歴があり,アレルゲンが判明かつ当院に定期的に外来受診している患者を対象とし,非アナフィラキシー時の末梢血を用い,アレルゲンに対する好塩基球活性化の評価を行う.アレルゲンによる好塩基球活性化が活性化が確認できれば,制御可能な化合物の検索を行う.活性化の評価はフローサイトメトリーを用いたCD203cの発現強度の解析により行う.
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Causes of Carryover |
好塩基球活性化制御の検討が実施に至らなかったため.試薬などの消耗品に使用する.
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