2018 Fiscal Year Research-status Report
骨髄細胞刺激が骨再生に与える影響の解析と新規治療法の開発
Project/Area Number |
18K16607
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅谷 久 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10752553)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨再生 / 副甲状腺ホルモン / 骨髄細胞 / 造血幹細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、副甲状腺ホルモン(PTH)、造血幹細胞表面蛋白(CXCR4)阻害剤(Plerixafor)を投与し、骨髄血内に含まれる細胞成分・液性成分の組成について評価を行った。 12週齢の日本白色家兎に対してPTHを5日間連日投与(30μg/kg/day)し、5日目にPlerixaforを投与(5mg/kg)する。PTH投与群(5日間のPTH連続投与のみ)、PTH + Plerixafor投与群の2群について、骨髄血内に含まれる細胞成分・液性成分の組成について評価した。PTH投与終了翌日および投与終了7日後に各々骨髄血8mlを採取し、各時点での体重、白血球数、CD34+細胞、CD34+CD45low細胞、CD31-45-81+90+細胞、colony forming unit - fibroblast (CFU-F)数を各々測定し、安全性および骨髄細胞への影響を比較検討した。PTH投与での有意な体重変化はみられず、白血球と造血前駆細胞マーカーであるCD34+細胞、CD34+CD45low細胞は投与翌日にピークがみられた。一方、間葉系細胞マーカーであるCD31-45-81+90+細胞、CFU-Fは投与7日後にピークがみられた。間欠的PTH投与により骨髄細胞は刺激されるが、細胞によって刺激応答が異なる可能性が示唆された。 平成30年度内にPTH + Plerixafor投与群についても解析が終了する計画であったが、当初の想定と異なり再現性のある結果なのか解析に時間を要したため、PTHとPlerixaforの併用投与群での評価が完了することができなかった。しかし、動物モデル・解析手法とも確立されPTH + Plerixafor投与群に関してすでに実験は進行し解析中であることから、平成31年度に計画している研究については計画通り進めていくことが可能であると見込んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度内にPTH + Plerixafor投与群についても解析が終了する計画であったが、当初の想定と異なり再現性のある結果なのか解析に時間を要したため、PTHとPlerixaforの併用投与群での評価が完了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度中に見込んでいた研究計画を全て完了することはできなかったが、動物モデル・解析手法とも確立できておりPTH + Plerixafor投与群に関してすでに実験は進行し解析中であることから、平成31年度に計画している研究については計画通り進めていくことが可能であると見込んでいる。今後実施を計画している内容での課題として、動物疾患モデル(家兎骨壊死モデル)についてさらなる検討が必要となる可能性があるが、先行研究で同モデルを使用して研究を行った実績があり、本課題が生じた場合には先行研究者から適宜相談・助言を受けながら検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度内にPTH + Plerixafor投与群についても解析が終了する計画であったが、当初の想定と異なり再現性のある結果なのか解析に時間を要したため、平成30年度中に解析の完了を見込んでいたPTHとPlerixaforの併用投与群での評価については、平成30年度末の時点で解析が完了できなかったため、見込みよりも使用額が少なくなった。 平成31年度は、現在進めている各々の解析に加え、平成31年度に計画している研究を進めていく予定であり、平成30年度に繰り越した金額は平成31年度に使用する計画である。
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