2021 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞のRNA結合タンパクMusashi2を標的とする骨粗鬆症治療の解明
Project/Area Number |
18K16626
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 稔史 九州大学, 大学病院, 助教 (20644800)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 破骨細胞 / 骨粗鬆症 / Musashi / Notchシグナル / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨は骨を構成する骨細胞、骨吸収を行う破骨細胞と骨形成を行うと骨芽細胞の数と機能のバランスで強度を保っており、骨粗鬆症では骨吸収能が増加して、骨量が低下して軽微な外傷で骨折を生じるために、患者の日常生活動作は低下する。単球同士が癒合して分化する破骨細胞は、分化においてRNA結合タンパクMusashi(Msi)発現が増加し、NotchシグナルのNotch2とHes1を介して細胞生存を制御されている。 Msiは1と2のアイソフォームがあるが、両方の単球系細胞よりMsiを選択的にノックアウト(cKO)するマウスをLysM-CreとMsiのFloxマウスを交配させMsi1と2ノックアウトするマウスを作成し、コントロール(Con)とcKOマウスそれぞれ雄雌を5頭の2か月齢で大腿骨の骨量をマイクロCTで解析したが、ノックアウトマウスでやや増加傾向を示したが、有意差はなかった。現在腰椎椎体の解析を行っている。続いて破骨細胞より選択的にノックアウトするカテプシンK-creマウスの骨量を解析を行っており、大腿骨と腰椎の骨量を測定する予定で、現在進行中である。 Msiの下流シグナルと考えているNotchシグナルについてもさらに解析を行っている。閉経に対するMsiの効果を調べるために卵巣摘出による閉経誘発モデルマウスを作成している。エストロゲン自体は破骨細胞分化に影響を及ぼさなかった。骨芽細胞におけるMsi発現を調べるために、骨髄細胞を骨芽細胞に分化誘導して発現を見たが、分化に従ってMsi1もMsi2も軽度の上昇を認めた。 卵巣摘出による閉経後骨粗鬆症マウスを作成し、Msiノックアウトによる阻害効果を調べ、閉経後骨粗鬆症に対する効果を現在解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19感染拡大により物流の遅れ、人員不足があり、マウスの交配の遅れと出生の遅れも重なり、解析が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウス交配を進め、ノックアウトマウスの解析を行い、研究を遂行する予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID19感染拡大で人員と物品の確保が難しい時期があり、マウス交配や解析に遅れを生じ、次年度使用額を生じた。2022年度で解析を終えて使用する予定である。
|
Research Products
(11 results)